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新パンクラスがぶち上げた、
「世界標準」の大改革。
~総合格闘技のピラミッド化とは?~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph byPANCRASE

posted2012/07/18 06:00

6月2日、試合を終えた前代表の川村亮は酒井代表をリングに上げ、団体の発展を誓った。

6月2日、試合を終えた前代表の川村亮は酒井代表をリングに上げ、団体の発展を誓った。

 設立19年目の総合格闘技団体がリニューアル。6月1日、パンクラスは都内で記者会見を行ない、同日付けで団体の運営がドン・キホーテからスマッシュに委譲されたことを発表した。

 会見で同社の酒井正和新代表は「世界標準」をスローガンに次々に改革案を口にした。パンクラスの王者らを世界に送り込むためのパンクラスマネージメントやパンクラスUSAの設置、アマチュアを底辺としプロを頂上とする、競技としてのピラミッドの設立、いまやアメリカでは総合格闘技の主流となったケージ(金網)ファイトの導入などである。

 現在の総合格闘技はUFCを頂点とするアメリカのマーケットが主流だ。しかし、従来の日本の団体(組織)はアメリカに選手を送り込むシステムを構築しなかったため、日本で王者になっても次の目標を設定しづらい構造になりつつあった。パンクラスが世界への扉を作れば、そうした問題も解消される方向に向かうのではないか。

ピラミッド組織のプロ部門には、興行面でのライバル団体の名も。

 個人的に一番注目したのはピラミッド化の部分だ。アマチュアはJML(ジャパンMMAライセンス)という組織で運営し、その上部のプロ部門にはパンクラスだけではなく、興行では同団体のライバル関係にあるDEEPも置く。

 競技としての総合格闘技の発展を願う酒井代表は、今後はプロ・アマを問わず他の総合格闘技団体にも積極的に参戦して欲しいと訴えた。「日本の総合格闘技をエンターテイメントにしたいのか、スポーツにしたいのか、そこが問題。UFCも最初はエンターテイメントだったけど、スポーツになったじゃないですか。そうしないと生き残れなかったんですよ」

 酒井代表が宣言した大改革に刺激を受けたのか、会見の翌日に行なわれたディファ有明大会は好勝負の連続だった。

 新たな仕掛けも忘れない。6月25日には、プロ修斗の現・環太平洋王者、村山暁洋が8月5日ディファ有明大会に参戦することを発表した。続いて7月1日の新宿FACE大会ではコスプレが人気の女子格闘家・中井りんがラウンドガールとして登場し、さらにパンクラスの創設メンバーである高橋義生が久々の参戦を口にした。

 新生パンクラスは競技化と話題作りが程よくミックスされている。

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