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打撃の王者vs.修斗の子、
真っ向勝負に膨らむ期待。
~リオン武と日沖発が激突!~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2010/05/16 08:00

打撃の王者vs.修斗の子、真っ向勝負に膨らむ期待。~リオン武と日沖発が激突!~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

金原に腕ひしぎ十字固めを極める日沖。三角絞めなど寝技を駆使し昨年は戦極で3勝1敗

 5月30日、東京JCBホールで開催される修斗の大会において、興味深い一騎討ちが組まれた。王者リオン武に同級1位の日沖発が挑戦する修斗世界ライト級チャンピオンシップだ。この一戦を「事実上の65kg級日本一決定戦」と見る関係者は多い。

 寝ても立ってもKOを狙えるハードパンチを武器にリオンは“修斗のカリスマ”佐藤ルミナを下した実績を持つ。昨年10月にはかつて修斗ライト級で不動の強さを誇ったブラジル人選手を壮絶な打撃の応酬の末に打ち破り、さらに評価を高めた。また、誰が対戦相手でも、倒し倒されの打撃戦を演じてしまうのがリオンの特徴。観客から見ればこれほどスリルを感じさせてくれる選手もいない。

戦極でブレイクした“トータルファイター”日沖発。

 対する日沖は“修斗の子”というニックネーム通り、何でも平均点以上にできる中で寝技に突出したものを持つ修斗出身のファイターだ。昨年は主戦場を戦極(現SRC)に移していたが、今回は1年半ぶりのホーム凱旋となる。一躍脚光を浴びるようになったのは、その戦極が開催した戦極フェザー級GP。まるで水が流れるようなしなやかな寝技によって、強烈なインパクトを残した。

 中でも準決勝で実現した金原正徳との一戦は、攻防が目まぐるしく入れ代わる名勝負に。結局日沖が判定勝ちを収めたが、ケガのせいで直後に開催された決勝出場の権利を金原に譲らざるをえなかったのは不運というしかない。最終的に金原が決勝を制して、戦極初代フェザー級王者になったのだからなおさらだ。

打撃のリオンか寝技の日沖か。下馬評は日沖有利だが……。

 それ以前にも、ここ一番でジャッジに泣かせられる印象が強いため、日沖は悲運の星というイメージで見られがち。そうしたネガティブなイメージを払拭するためにも今回は大きなチャンスだ。巷の予想では日沖がやや有利。そんな外野の声を王者は十分把握している。

「日沖選手は強い。自分が100回やって1回勝てるかどうか。でも、僕は最初にその1回めを持ってきて絶対勝つ」

 試合は、王者の打撃と挑戦者の寝技が真っ向からぶつかり合う攻防が予想される。日沖が戦極や海外修行で磨いた寝技で相手を窮地に追い込んだとしても、リオンは一発だけで勝負の流れを引っくり返せるだけの拳を持っている。今年上半期のベストバウトになるかもしれない。

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