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【ユーロ2012 グループC展望】
大本命スペインに危険信号が点滅!?
“脱カテナチオ”のイタリアが急浮上。 

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byGetty Images

posted2012/06/02 08:00

【ユーロ2012 グループC展望】大本命スペインに危険信号が点滅!?“脱カテナチオ”のイタリアが急浮上。<Number Web> photograph by Getty Images

イタリア代表の国内合宿でのひとコマ。チーム浮沈の鍵を握るバロテッリ(後)とカッサーノは、イタリア人選手の中でも一、二を争う“悪童”ぶりでも有名だが……。

 首位通過は“メジャー3連覇”を目指すスペイン、2位通過は伝統国のイタリアという予想が大勢を占めているが、大本命スペインを襲った相次ぐアクシデントによって、その勢力図に疑いの目が向けられている。

 長年最終ラインを支えてきたDFプジョルと代表最多得点記録を持つビジャの離脱がチームに及ぼす影響は計り知れない。最終ラインの要となるピケは、出場機会が減少した今季のパフォーマンスを不安視する声が多い。前線は前線で、ユーロ2008優勝の立役者であるF・トーレスは長く続いた不振から復調したばかりで、南アフリカW杯の“ラッキーボーイ”ペドロとともに、当落線上から滑り込む形で最終メンバー入りしている始末だ。結局、チームは最終ラインと前線に大きな不安を抱えたまま大会本番に臨むことになった。

“バルサ”の中盤は磐石だが、最終ラインと最前線に問題が。

 唯一の救いは、チームの生命線である中盤に“キズ”が付いていないことである。

 シャビ、イニエスタ、ブスケッツ、セスクのバルセロナ勢には変わらぬ安定感があり、シルバはマンチェスターCで、マタはチェルシーで好パフォーマンスを披露。X・アロンソ、カソルラといった常連組もコンディションはいい。従って焦点は、やはり最終ラインと最前線の構成に絞られる。

“バルセロナ流”を代表に持ち込み、選手のポテンシャルを最大限に引き出すことに注力してW杯の栄冠を勝ち取った指揮官のデルボスケ。主力選手が複数欠けるという、初めてとなる問題に、果たしてどんな手を打ってくるのか。第一戦で対峙するイタリア戦で、大きな危機に直面したスペインの真価が問われることになりそうだ。

伝統から離れ、大胆な戦術転換に成功しつつあるイタリア。

 一方、絶対的な優勝候補のアクシデントはイタリアにとって大きなチャンスだ。

 プランデッリ体制の発足と同時に攻撃的なサッカーを志向し始めたチームは、今大会予選を無敗で切り抜け、しかもわずか2失点と抜群の安定感を示した。攻撃面ではピルロを中心にクリエイティブなスタイルを確立し、“大人”になったカッサーノが6得点と奮起。大幅なスタイル転換に成功したチームの守護神ブッフォンも「不可能だと思われていたことを成し遂げた」と確かな手応えをつかんでいる。

【次ページ】 底知れぬポテンシャルを秘めた“異端児”バロテッリ。

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