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元中日のステアーズが
42歳で輝き続ける理由。
~“代打の神様”は中年の星~ 

text by

津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2010/04/05 06:00

元中日のステアーズが42歳で輝き続ける理由。~“代打の神様”は中年の星~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

中日時代はクリーンナップを務めるも打率2割5分、6本塁打と振るわず1年で帰国した

 1993年、中日ドラゴンズにマット・ステアーズというカナダ人選手が在籍していたのをご記憶だろうか。17年の年月を経た今季、その彼がメジャーでの活躍を目指し、サンディエゴ・パドレスとマイナー契約を交わしているのだ。

 御年42歳。「近ごろはいつも『今季が最後になるかもしれないな』と感じながらプレーしているんだ」と言うとおり、この世界ではロートルと呼ばれる存在になって久しい。フィールドプレーヤーとしてまともに活躍したのは'07年の102試合出場が最後。一昨年は19試合、昨年にいたっては15試合と減少の一途を辿るのみ。もはや試合前、先発ラインナップの中に自分の名前を探す習慣もなくなった。

フィリーズの世界一に貢献した“代打の神様”。

 それでもステアーズは、今季もメジャーから求められている。その理由は代打で出塁率3割7分7厘という好成績にある。フィリーズに在籍していた'08年には、ドジャース相手にポストシーズンの大舞台で代打逆転本塁打を放って世界一に貢献するなど、日本流に言えば、さながら“代打の神様”といったところだ。だからこそ過去11ものメジャー球団を渡り歩いたジャーニーマンたり得たし、今年もまた、パドレスから声がかかったのだった。

「代打が告げられるとファンは沸き立つ。そんな立場も悪くないもんさ」

メジャーでの活躍には新記録の達成も期待される。

 メジャー生活17年、通算259本塁打、5040打数はいずれも現役カナダ人選手でトップ。今季パドレスでプレーするとさらなる勲章も待ち構えている。12球団目のユニフォームに袖を通すとなればR・ビローンらと並んで史上最多。代打で一発出れば、'70 ~'80年代に活躍したC・ジョンソンが持つ代打20本塁打のメジャー記録に並ぶのである。

「記録にはこだわっちゃいない。それより満身創痍の自分の体を心配しているよ」とステアーズ。だが、47歳のモイヤー(フィリーズ)を筆頭に、43歳のウェークフィールド(Rソックス)や42歳のビスケル(ホワイトソックス)ら、ベテラン選手たちがまだまだ現役で元気にプレーしている。老け込むのはまだ早い。身長175cm、体重95kgの豆タンクのようなズングリ体型でここぞという場面で役目をキッチリ果たす。若者に一歩も譲らない、そんな中年の星としてまだまだ輝き続けてほしいものだ。

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