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才能の見本市U-17W杯、
若者たちは世界を目指す。
~加速する海外移籍の低年齢化~ 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2011/07/07 06:00

才能の見本市U-17W杯、若者たちは世界を目指す。~加速する海外移籍の低年齢化~<Number Web> photograph by AFLO

アルゼンチンを破り、18年ぶりに1次リーグを突破した日本に世界の注目が集まっている

 海外移籍が加速している。単純な数のうえではもちろん、このところ目立つのは、その低年齢化である。

 最近、正式に移籍が発表された、宇佐美貴史(G大阪→バイエルン・ミュンヘン)、高木善朗(東京V→ユトレヒト)はいずれも、2年前のU-17ワールドカップに出場したばかりの選手だ。同大会に出場し、10代にして海外組となったのは、宮市亮(フェイエノールト)を含め、これで早くも3人となった。

 思えば、アトランタ五輪当時、何人かの選手が海外移籍を目指し、「自分を売り込みたい」という主旨の発言をして話題になったが、もはや時代は変わった。23歳以下の世界大会に位置付けられる五輪どころか、U-20ワールドカップ、さらにはU-17ワールドカップが、海外移籍へのステップボードとなり始めている。

 宇佐美らの移籍の報は、当然、メキシコで開催中のU-17ワールドカップに出場している選手の耳にも届いている。

「世界を経験することで、彼らはもっと上でやりたいと感じたのだと思う。2年前よりも勝ち上がれば、僕らはもっといろんなことを感じられるはず」

 そう話すのは、早川史哉(新潟ユース)。受ける刺激の心地よさは認めつつも、しかし、「2年後(の海外移籍)は想像できない」と苦笑いを浮かべる。

“飛び級選出”の高木大輔も、将来の海外移籍を見据える。

 その一方で、南野拓実(C大阪U-18)のように、明確に意欲を示す選手もいる。

「僕もそこを目指しているし、世界の舞台はチャンス。見てくれている人はいると思うので、そのつもりでやりたい」

 なかでも、10代の海外組をより身近に感じているのは、高木善朗の実弟、高木大輔(東京Vユース)ではないだろうか。兄・善朗の移籍決定に、「うれしいし、頑張ってほしい」と喜びを表わした。

 今回、“飛び級選出”の大輔は、まだ15歳。そのため、「試合に出ても出なくても、先輩に交じって、ここに来られてることが幸せなこと」と謙虚に話すが、長兄・俊幸(清水)を含め、「最終的には、3人とも海外でやりたいと思ってる」と将来を見据えている。

 メキシコで戦うU-17日本代表は、この原稿の執筆時点で、まだ勝ち上がり途上(※その後、準々決勝でブラジルに2-3で敗退)。だが、上位進出で世界的にも注目されることは必至だ。さらなる低年齢化の加速は、可能性十分である。

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