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'05年度アマ注目選手徹底ガイド(4) 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2005/07/14 00:00

'05年度アマ注目選手徹底ガイド(4)<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 今回は6月から現在までの約40日の間に行われた試合の中から選手をピックアップしていく。ただし、6月7日から行われた大学選手権については現在発売されている『アマチュア野球4号』(日刊スポーツ出版社)の中でたっぷりと書いているので割愛する。

◆6/4 愛工大名電高対桐光学園(練習試合・桐光学園G)

BA山室公志郎(桐光学園・投手)

右右 181/75

 昨年末からA評価を続けていたが、この試合を見てワンランク下げた。辻内崇伸(大阪桐蔭高)、山口俊(柳ヶ浦高)などの充実にくらべ、故障もあり出遅れた山室の現状は明らかに劣ると考えるからである。この日のストレートのMAXは142キロ。非凡だが迫力不足。そんな言葉でしか今は語れない。勝負はもうすぐ始まる神奈川大会だ。
BA岡山真澄(桐光学園・一塁手)

右右 180/95

 センバツ優勝投手の斎賀洋平(愛工大名電高)からソロ、満塁本塁打を含む3安打で7打点という爆発ぶりを見せた。最初のソロは初球の内角高めカーブ、満塁弾は2-2からの外角スライダーを大振りせず、小さな振幅で振り抜いた一打。東都リーグ1部校の監督が来ていたようだが、そろそろ周辺が騒がしくなり始めたようである。

◆6/5 NTT東日本対日本通運(関東選抜リーグ・府中球場)

BA清水恵介(日本通運・左翼手)

右左 180/81

 初めて見たと思っていたが、昨年の観戦ノートをパラパラめくっていたら8月31日の都市対抗、JR東日本東北戦にも8番・左翼で出場しているのがわかり、ノートには「呼び込んでの左打ち(流し打ち)、強い打球」と、断片的な感想が書き込まれていた。そしてこの日のノートには7行にわたり賞賛の文章が書き込まれていた。気になるのは守備面で、昨年のノートには「打球の追い方に不安」、この日のノートには「捕球はもたもた、肩はそこそこ」と書かれていることだ。

◆6/12 秋田経法大付高対仙台東高(東北大会・東北福祉大球場)

笹川信洋(秋田経法大付高・中堅手)

左左 178/73

 スカウト氏の「誰かから聞いた」という不確かな情報で申し訳ないが、打点王も獲得した石井浩郎(元近鉄など)の従兄弟が笹川だという。40歳の石井と17、8歳の笹川が従兄弟とはにわかに信じられないが、笹川がいい選手であることは間違いない。驚いたのが守備。完全にセンター前ヒットと思った打球を頭から突っ込んでダイビングキャッチしてしまった。バッティングもいいし、これからが楽しみな選手である。

◆6/13 秋田経法大付高対光星学院(東北大会・愛島球場)

松岡純平(秋田経法大付高・投手)

右右 184/81

 MAX144キロの豪腕という触れ込みの選手。なるほど球威はあるが、投げ方が悪いという印象のほうが強く残った。最大の長所はスライダー。てっきりフォークボールだと思っていたが、スカウト氏によると「あれはスライダーらしい」とのこと。
桑鶴雄太(光星学院2年・投手)

右右 177/70

 最速135、6キロのストレートで内角を突いてから外角の大きいカーブで打ち取る、そういう高校野球の定番ともいうべき好投手タイプが桑鶴である。ミもフタもない言い方をしているが、本職はキャッチャーらしい。マスクをかぶっているところを見たかったのだが、完投して見られずじまい(残念!)。それでもなるほどと思うプレーはあった。一言でいうと「センスがいい」選手である。

◆6/21 JR東日本対シダックス(都市対抗2次予選・神宮球場)

鈴木誠(JR東日本・投手)

左左 175/68

 ヒジが出ないアーム式でスリークォーターという左腕。コントロールは不安定、スライダーは見逃せばほとんどボールという厄介なボール。いいところがないではないか、と突っ込まれそうだが、実は球が速い。1回3分の2でノックアウトされているので長所とも言えないような気はするが、年齢は20歳で社会人3年目。若さと速さに免じて紹介させていただいた。こういうとことん粗っぽいピッチャーが後に完成度を増してプロ入りするという例もないわけではない。

◆6/21 鷺宮製作所対NTT東日本(都市対抗2次予選・神宮球場)

BA小高幸一(鷺宮製作所・投手)

右右 177/70

 これより1週間ほど前、友人の吉田暁生から「小高はよくなっていますよ」と言われていた。ところが僕は小高を昨年、ドラフト候補生から除外したばかりだったこともあり、よくなったとは俄かに信じられなかった。ところが……よかった。ヤクルトのサイドハンド、吉川昌宏を思い出した。ストレートのMAXは143、4キロくらいだろうか。スライダー、シュートという左右の攻めが真骨頂である。

◆6/24 日産自動車対新日本石油(都市対抗2次予選・横浜S)

BA三橋直樹(日産自動車・投手)

右右 180/78

 MAX144キロのストレートは球持ちがいいので打者が差し込まれることが多い。鋭く落ち込むスライダーやチェンジアップを交えていけば、木製バットの社会人ではそう簡単に攻略できない。速いクイック、巧妙なけん制など、投げること以外でもよさが目立った。
栂野雅史(新日本石油・投手)

右右 186/89

 こちらは正真正銘の自由枠候補。この日のストレートのMAXは147キロ。やはりクイックやフィールディングによさがあり、投げるだけの選手ではない。ただ、三橋のような変化球の精度がなく、「未完の大器」という形容は、まだしばらくは使わせていただく。

◆6/25 東海大相模高対東海大翔洋高(練習試合・東海大相模高G)

金谷駿(東海大翔洋高・投手)

右右 181/78

 静岡では評判になっている選手で、実力の片鱗は見せてくれた。この日の最速は138キロ。左肩上がりの“担ぎ投げ”で低めストレートに伸びを欠くという厄介な一面があるが、ボールそのものには力がある。カーブ、スライダー、チェンジアップがあり、この中ではチェンジアップが最もキレ味がある。

◆7/2 亜大対慶大(練習試合・慶大G)

松田宣浩(亜大・三塁手)

右右 178/76

 強靭なリストを使いたくてしょうがない、という素振りがみえみえ。低め全般は強く、とくに真ん中から甘い外寄りは怖いな、と思っていたら案の定、7回表に真ん中低めをレフトに特大の一発。ヒェ~と声が出そうになる弾丸ライナーで、打球は何とレフトのフェンスを越えて場外へ一直線。

 試合とは関係ないことだが、痴漢事件で共犯としてマスコミに名前が出てしまった亜大選手がバックネット裏で雑用をしていた。有罪は主犯1人だったので、この選手の野球部復帰は当然だが、事件の性質上、戻りにくい雰囲気はあったはずだ。戻った選手も戻した指導者も偉かった。

 さて、ここまで有望選手の通信簿のような形でレポートを続けてきたが、次回からはアマチュア野球の断面を切り取って見せるような工夫をして、皆さんにレポートを見てもらおうと思っている。

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