川島永嗣、細貝萌、瀬戸貴幸ら、異国で挑戦を続けるニッポン人の
足跡を辿りました。
Number Webでは、今季、サポーターが選ぶ『プレイヤー・オブ・ジ・イヤー』に選出された川島永嗣選手(リールセSK/ベルギー1部)の記事を特別に
全文公開します。
――ガールフレンドはいるんですか?
川島「ああ、いるよ」
――ひとり? それとももっと!?
ちびっ子記者の激しい突っ込みが混じった質問に、川島は両手を叩きながら爆笑した。
これはリールセがファンサービスで開いた『模擬記者会見』の時の模様だ。リールセのサポーター連合会長、マルク・デ・ノエル(54)は、オランダ語を流暢に操りながら子供たちとコミュニケーションを取った川島の姿を思い出しながら目を細めた。
「川島はたいした奴だ。オランダ語は大変難しい言語なのにもう自由にしゃべっている」
今季、リールセの正GKとして活躍した川島はすっかりサポーターのハートをつかみきった。彼らが選ぶ『プレイヤー・オブ・ジ・イヤー』に川島が選出されたのはその証だ。
「GKが選ばれたのは異例なこと」
とノエルは言う。
「サポーターは攻撃的な選手を選ぶ傾向がある。今季で言えば2位がMFクラーセン、3位がFWのラジンスキなことを見ても理解できるだろう。私の40年間のサポーター生活でもGKが選ばれたのはあまり記憶がない」
「川島がいなかったら0-13でリールセは負けていたはずだ」
今季のリールセは守備陣が崩壊し、30試合で58失点も喫した。これは今季、ベルギーリーグワーストの数字。次から次へゴールを許したチームのGKが、その年の最優秀選手に選ばれることは通常考えづらい。
「そりゃあ川島だってミスを犯したことはある。だが我々サポーターは、失点の責任のほとんどはDF陣にあることをよく理解している。それに彼はプレーだけじゃなかった。メンタルは強く、最高のスピリッツがあり、負け試合でもチームメートを鼓舞し続けた。川島はチームで一番重要な選手だった。シーズンが深まると共に『カーワーシマ、カワシマ』のチャントが絶叫にかわって行った」

昨年11月、強豪スタンダールとの試合でリールセは0-7と一方的に敗れてしまった。
「この時もサポーターは川島を非難しなかった。彼はこの試合で何回もピンチを防いだんだ。この試合に川島がいなかったら0-13でリールセは負けていたはずだ。敵チームの監督も試合後『今日のマン・オブ・ザ・マッチはリールセのGKだ』と称えた。これがお世辞でないのは、冬の移籍市場でスタンダールが川島の獲得に動いたことでもわかる」
“溺愛”という言葉が当てはまるほどの川島への言葉。しかしシーズン開幕からしばらくは、サポーターも川島に対して懐疑的な目を向けていた。
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