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松井秀喜 「危機感は常に持っている」 【連載第2回】 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNaoya Sanuki

posted2009/04/02 10:03

松井秀喜 「危機感は常に持っている」 【連載第2回】<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

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「ヤンキースは結果が出ない年俸の高い選手がいられるチームではない」と、冷静に事態を見つめる松井。あえてシーズン中に受けた手術の経過はどうなのか、昨年トーリ監督から代わったジラルディ監督との関係は?

ヤンキースで生き残るために

 昨年9月に手術した左ひざの回復は順調だという。2007年オフに右ひざを手術し、患部の状態は格段に良くなった。左ひざは巨人時代からの古傷。ヤンキースに移籍した当時から抱えていた故障だった。それだけに左ひざも手術したことでここ何年か抱えていた悩みを解消し、今季は移籍後、一番いい状態でプレーできる可能性も秘めている。

――手術の経過は?

「右足と同じような経過です。同じという意味ではいい経過といえるかもしれません」

――去年のキャンプイン時点と比べると?

「去年はまだ全力で走れず、実際問題としては間に合っていなかった。試合には3月の9日か10日ぐらいに出たけど(正確には9日のツインズ戦)、まだ足(の状態)は全然、戻っていなかったですから。でも、今年は間に合いそうですね」

――右ひざに比べると左ひざの状態は悪かったと聞いています。

「そうですね。軟骨が痛んでいた範囲は左の方が大きかった、とドクターも言っていました。でも2カ月手術が早かったという時間的な猶予はあります」

――ひざの手術は、術後のリハビリがカギと言われます。いま気をつけていることは?

「無理しないこと(笑)。右ひざの経験があるんで、治っていく感覚は分かります。こういう痛みは嫌だとか、ね。ただ、なかなか痛みは引かないし、なかなか筋力も戻ってこない」

 

 メジャー2年目の2004年に31本塁打をマーク。翌'05年には打率3割5厘で23本塁打、116打点とクラッチ・ヒッターとしてチーム内でのポジションを確立した。
だが、翌'06年の左手首骨折からはケガとの戦いとなった。連続試合出場の記録を更新して“鉄人”のイメージが強かったのがウソのように、ずっとケガとの戦いが続いている。ただ、オフになればトレード報道が飛び交いながらも、それでもまだ生存競争の激しいヤンキースで生き残っている。その事実が松井に対するチームの評価となるのだろう。

 

今年の目標は1年間ケガをしないこと

――今年の目標は?

「まず一年間、ケガをしないでいい健康状態でプレーすること。どこかでケガをした時点で終わりだと思っています。ヤンキースに残るという意味でも、ケガをしたらそこでチャンスはなくなるでしょう」

――チームはスウィッシャー、テシェーラと大物野手を補強。厳しさは感じますか?

「そりゃそうでしょう!(笑) 世界一お金を使っているチームなんだから。でも野手はそんなに変わっていないですよ。アブレイユ(外野手)が抜けて代わりにスウィッシャーが入って、ジェイソン(ジアンビ一塁手)がいなくなってその代わりにテシェーラがきた。そんなに大きくは変わっていない。外野手はちょっとダブついていますけどね」

――昨年、トーリ監督からジラルディ監督に交代した影響はありましたか? やっぱり監督が自分を観る目が違うというのもあった?

「5年間やってきたトーリの最後と、1年目のジラルディを比べたらやっぱり違う。積み上げてきた期間が違いますから、違って当たり前なんです。でも、僕が日本からきたときはトーリも半信半疑だった。だからそのときのトーリと、昨年のジラルディを比べれば、見方はそんなに変わらないと思いますよ」

――去年、一緒にプレーしてアピールできた?

「去年のキャンプインの時点に比べれば、松井秀喜というプレーヤーに対する評価は、多少は上がったと思います、おそらくね。下がっていたら悲しいですけど(笑)」

――勝つためのプレーを評価された?

「そういうこともそうだし。試合の中で選手を見ていたら、ある程度、この選手は何を考えてプレーしているかは分かるんですよ」

――体が万全ならばその信頼関係からスタートできるという自信はある?

「お互いの理解度という面では、少なくとも去年よりは間違いなく高いところからいけると思いますね」

――指名打者として起用されることは?

「それは仕方ない。ただ、キャンプからオープン戦と守るチャンスはあると思いますから、普通にできることを見せられれば変わってくると思います。そのときにどういうものを見せられるかです」

――グラウンドでやることによってジラルディ監督の考えを変える……。

「そういうことはあると思う。自分のやっていること、やらなくてはいけないことをやるだけだけど。でも、それでいい風に変わってくれるといいなと思いますね」

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