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新天地で掴んだ開幕投手。
山本省吾は「200回」を狙う。
~尾花監督の下で再生するか?~ 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/04/30 08:00

新天地で掴んだ開幕投手。山本省吾は「200回」を狙う。~尾花監督の下で再生するか?~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

「チームが変わると当然、雰囲気も全く変わる。色メガネで見られないことも、伸び伸びやれている一因かもしれません」

 沖縄・宜野湾キャンプでそう語っていたのは、オリックスから横浜に移籍した山本省吾。今季、プロ入り11年目を迎えた32歳のベテランだ。

「チームを立て直すためにも、何としても先発をこなせる左腕が欲しい」という尾花高夫監督たっての希望で、将来性十分の本格右腕・寺原隼人を放出してまで獲得した選手である。

 山本が金子千尋、近藤一樹、小松聖とともに二桁勝利を上げてクライマックスシリーズ進出に貢献したのは、大石大二郎監督時代の2008年のことだった。思い切って内角を突いたかと思うと、打ち気を逸らす外角のカーブやスライダーを使う。相手打者の芯を外す投法は、なかなか頭脳的と言われたものだった。

 しかし'10年、岡田彰布が監督に就任すると途中交代させられることが多くなった。ボールをコーナーに散らしてかわす投球が岡田監督の目に「思い切りがない」と映ったのかもしれない。名脇役だった大石監督とスター街道を歩んだ岡田監督。2人の考え方の差が、遊び球を上手に使って投げる山本の評価の分かれ道になったのだ。本人も「気持ちの持って行き方が難しい」とこぼしたことがあった。

「山本はローテーションの柱だ」と言い切った尾花監督。

 一方、新天地の尾花監督は投手出身。その上「力任せ」に投げるタイプよりも、ボール球を上手に使った投球を認める指揮官である。その尾花監督が「山本はローテーションの柱だ」と言い切り、カウント別の内角球の使い方を教え込んだ。それで期待されていることを肌で感じた山本の熱い気持ちに火がついた。シーズン200イニング登板を目標に、キャンプから意欲的に投げ込んだのである。

 そして迎えた今季。昨年の勝ち頭・清水直行、三浦大輔、大家友和らを差し置いて見事、開幕投手の座を射止めた。

 山本を見ていて、 「球界の寝業師」 と呼ばれた根本陸夫の言葉をふと思い出した。

「ドラフト1位で入団した選手は何かいいものを持っている。その気持ちを十分に活かせば必ず再生できる」

 監督がかわり、才能を開花させた選手をこれまでに多く見てきた。山本の新天地での活躍が楽しみである。

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