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次代を担う新星・西岡剛、レギュラー奪取に挑戦中。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

posted2004/08/12 00:00

 プロ野球でレギュラーを獲得するにはいくつか方法がある。ひとつは首脳陣が選手を育てるために起用するケース。今季の西武・中島裕之は、その典型的な例だろう。もうひとつは、レギュラー選手が故障している間に若手が成績を残して、ポジションを奪ってしまうケース。ロッテの西岡剛はその1人だ。ロッテのショートには12球団ナンバー1の守備力を誇る小坂誠がいる。31歳と老け込むにはまだ早いが、小さな体で無理をしたツケが出たのか、太ももを痛めてしまった。そこで起用されたのが西岡だった。「小坂さんに勝てるとすれば若さを生かした思い切りのいいバッティング」という西岡は、富山での西武戦で後藤光貴からプロ1号本塁打を打ってバレンタイン監督に大きくアピールした。そもそもバレンタイン監督が西岡に目を留めたのも、昨年11月秋季キャンプで特大の本塁打を打ったのを見たことがきっかけ。「こんな素晴らしい若手がいるのか」と目を細めていた。その後、一軍キャンプに抜擢され、フランコと同じグループで座を盛り上げた。フランコが使う妙な関西弁は、その時に西岡が教えたものである。人懐っこい性格と度胸の良さで一軍の雰囲気に馴染むのも早かった。

 西岡は中学3年まで右打ちだったが、大阪桐蔭に入学後、左打ちに転向した。しかし、プロでは左投手に対して苦しんだ。そんな時、西村徳文ヘッドが「小坂は左打席だけ、お前は本来右きき、ならば右打席に入ってみるか」とアドバイスしたのだった。小坂になくて、自分にあるものは長打力とスイッチだと考えて「やってみます」と頭を下げた。それから1カ月半の練習でスイッチをすっかり自分のものにしてしまった。「プロ入り2年目なのに、何をやっても器用にこなす。小坂が戻ってきても、十分に戦えるかも」と西村ヘッドも西岡の成長振りを認めている。プロ野球はいま大きく揺れていて、ロッテもその渦中にあるが、西岡は「そんな事を考えている余裕はない」とキッパリ。

 ファッション誌に目を通すのが息抜きという西岡の好きなブランドはアルマーニ。だが、西村ヘッドによればその着こなしは「浪花の田舎っぺ」だとか。アルマーニが似合うようになった時には、ショートのポジションを奪い、名実ともにレギュラーとなっているかもしれない。

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