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WBCで大健闘のオランダ。エースの就職も決まる。 

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津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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posted2009/04/10 07:00

 第2回WBC、特に前半戦における最大のサプライズは、何と言ってもオランダの躍進だった。まず、第1ラウンド初戦で強豪ドミニカ共和国を3対2の僅差で破る大番狂わせ。次戦でプエルトリコに1対3で負けはしたが、第2ラウンド進出をかけたドミニカとの再戦では延長11回に劇的なサヨナラ勝利。現役メジャー選手が1人もいない中、スター軍団に二度も土をつけて“シンデレラ”と称された。

S・ポンソンという元メジャー投手の存在

 その支柱になったのはエースのシドニー・ポンソン。昨年まで実働11年間で90勝をあげた、メジャーリーグ経験者だ。昨年はヤンキースなどでプレーしていたが、FAとなった今年は行き先が決まっていなかった。ドミニカとの初戦の大金星は、先発の彼が「大事なのは信じること」とチームを鼓舞し、5回途中を2失点の好投で牽引したからこそ。第2ラウンドでも、ベネズエラ戦で敗れはしたものの5回2失点と接戦を演出した。そのポンソンが、“終戦”のわずか2日後にロイヤルズとマイナー契約。大会期間中、バックネット裏で熱心に選手の品定めをする各球団スカウトから高評価を得た結果だった。

「あれだけの好投を見せられたら投手力に不安を持つ球団なら欲しくなるよね」とはある球団関係者の弁。ロイヤルズのムーアGMも「WBCの期間中、ずっと彼を追っていた。安定感ある投球だという報告も受けた」と獲得に際してコメントした。大会前まではどの球団からも全くオファーがなかったポンソン。「このまま引退なんかしたくない」と言っていたことを考えれば、彼にとっては代表チーム以上にシンデレラストーリーとなった。

トラブルメーカーのメジャー復帰なるか?

 しかし、実はこのポンソン、知る人ぞ知るメジャー屈指のトラブルメーカーでもある。'04年のクリスマスに、故郷のアルバ島でパワーボートを使って遊んでいた際に、過って裁判所の判事に水をかけてしまった。判事が注意をすると逆上して殴るという愚行に及び、逮捕されて11日間刑務所にいた経験を持つ。また飲酒運転の常連でもあり実刑判決を受けたこともある。今回の契約にあたり、ロイヤルズは手薄な先発ローテーションの一角を期待していると聞く。せっかくのチャンスだけに、まずは水を差すような行為に及ばないことを祈るのみか。

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