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日本代表の決定力不足を考える“いくつかのヒント”。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byToshiya Kondo

posted2005/12/22 00:00

日本代表の決定力不足を考える“いくつかのヒント”。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

 FWの決定力不足が深刻だ。11月16日の日本対アンゴラ戦では日本のシュートは外れ続け、松井のゴールで勝利はしたものの観戦に訪れたクラマー氏は「日本のFWは病気に罹っている」と憤慨した。

 だが、日本の決定力不足は今に始まった問題ではない。いつまでもメディアが“決定力”という曖昧な言葉に逃げていては、問題は解決しないだろう。もっと深く掘り下げて、考える必要がありそうだ。

 そのヒントは、きっと“潜在意識”にある。ドイツを代表するスポーツ・メンタルトレーナーのローター・リンツ氏は、こんなことを言っている。

 「行動の80%は、潜在意識にコントロールされている」

 リンツ氏はFWの決定力をあげるためには、まずそのことを理解するべきだという。FWがゴール前で焦ってしまうのは、何かしらの外的刺激に潜在意識が反応しているということなのだ。だから、リンツ氏はイメージ・トレーニングを重要視している。

 「シュートを打つ場面をイメージして、迫ってくるDFや絶叫する観客の存在を、頭の中からフェイドアウトさせるトレーニングをするんだ」

 もっと奇抜なやり方もある。音楽の世界では、プレイヤーがうまく演奏するために、“アレキサンダー法”というリラックス術が流行している。自然な姿勢を保つことで、緊張を解くというテラピーの一種だが、一部のサッカー選手もこの方法を取り入れるようになってきた。チャールトンでプレーしていたFWフントは「ゴール前での緊張がなくなり、効果的に動けるようになった」と喜んでいる。

 旧東ドイツ代表のメンタルドクターは、FWの頭に小型カメラをつけ、シュートのときに、FWが何をどう見ているかを調査した。研究は公表されていないが、優秀なFWとそうでないFWを比べれば、何かしらの解決策が導き出せそうである。

 日本の決定力不足は、きっと日本の文化や教育に根ざしたものである。FWの個人能力のせいにしてはダメだし、優秀なFWが「偶然の産物」だと諦めるのもダメだ。幸い日本には最新技術も、資金もある。今こそ日本が本気になってこの分野の研究をすれば、世界が驚くFWを生み出すことができるのではないだろうか。

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