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サブマリン渡辺俊介が大先輩に送ったお礼状。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

posted2005/05/12 00:00

 ロッテのバレンタイン監督をして、「ウチにはエース級の投手がたくさんいる。もちろん俊介もその一人だよ」と言わせたのが、今や数少なくなったサブマリン投手の渡辺俊介。チームの連敗を止めることからついたあだ名は“レンスパ(連敗ストッパーの略)”である。

 清水直行、小林宏之とともにロッテの三本柱で、昨年の12勝はチームの勝ち頭。「アマチュア時代よりも腕が下がり、さらに下から投げているので、浮き上がってくる球が余計に打ちにくい」と新日鉄君津の先輩で通算200号本塁打を渡辺から打ったソフトバンクの松中信彦は、やっかいな存在となった後輩をこう評した。

 プロ入り当時の渡辺は、走者を気にするあまり、コントロールを狂わせ崩れるケースが多かった。セットからの投球の課題を克服できずにいた'02年オフ、転機となったのが先輩松中の言葉だった。新日鉄君津野球部が廃部する際に催されたパーティの席で、松中から言われた言葉を、渡辺は今でも頭に叩き込んでいる。「野手にとって、一番リズムが狂うのは、走者ばかり気にして、四球を出すケース。低めに投げておけばそんなに打たれるものではないよ」

 渡辺の勝ち星が増えたのは「四球を出すくらいなら打たれた方がまし」と考えるようになってからだ。守備の要、ショートを守る小坂誠は「直(清水)も俊介(渡辺)も四球が少ないから守りやすい」とリズムの良さを指摘する。渡辺はその清水と「1イニングあたりの四球の数」で賭けをしている。少しでも無駄な四球をなくそうという意識の表れである。「勝った方の家族を食事に招待」という約束。昨シーズンは清水が勝った。

 昨年、渡辺は、大谷幸弘コンディショニングコーチのはからいで、通算284勝のサブマリン、山田久志と食事をする機会を持った。山田も同じ新日鉄OB(釜石出身)で、快くアドバイスをしている。ポイントは「手を立てて投げる」というシンカーを投げる際の手首の使い方と「ボールを投げる勇気を忘れるな」という2点。それが昨年の2ケタ勝利、今年の好調へと続いている。「いろんなヤツに教えたけど、キチンとお礼状を書いてきたのはアイツぐらい。その律儀さと義理がたさが今の調子を保っている」と、山田はそっと目を細めた。

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