#1026
Special Feature

記事を
ブックマークする

「お手本としてマコト以上の選手はいない」長谷部誠、円熟のプロフェッショナリズムをフランクフルト幹部らが証言《4つの視点から分析》

2024/05/10
いまなお欧州のトップシーンで評価を高めているのはなぜ?4つの方向から考察すると、マコトの真価が見えてきた。(初出:Number1026号[4つの視点で徹底分析] Makotoを考える)

  「2016年に私がこのクラブに来て彼と知り合ったときから、完全なプロ選手として受け止めているんだ。すべての選手から尊敬されているリーダーだ」

 フランクフルトの代表取締役兼SDフレディ・ボビッチは、長谷部誠と初めて会った時の印象をこのように語っている。「選手としてだけではなく、人間としてもすぐれている」という評価はよくドイツメディアでも目にするし、実際フランクフルトは現役引退後も長谷部をクラブにとどめたいと動き、前回'20年5月の契約延長時には「現役引退後もブランドアンバサダーとしてクラブに残る」と発表している。では具体的に長谷部のどんなところがリーダーとして、プロフェッショナルな選手としてクラブでは評価されているのだろうか。

クラブを躍進させたボビッチSDは元ドイツ代表 ©Getty Images
クラブを躍進させたボビッチSDは元ドイツ代表 ©Getty Images

監督のビジョンを正しく理解し、共有、実戦できる。

 監督は試合に向けて戦術を煮つめて、戦略を考えていく。手持ちの選手をどのように組み合わせ、誰がどのようにプレーできるかを考慮する。でもどれだけ準備しても想定外のことが起こるのがサッカーだ。すべての状況で最適な判断をするのは極めて難しい。例えば「このポジションが危険だから、そこへのパスコースを消せ」とはだれでもいえるが、そこのイメージでずれが出ることだって普通にあるわけだ。

 フランクフルトのアディ・ヒュッター監督が長谷部を「素晴らしい人間で、素晴らしい選手で、チームプレーヤーだ。ハイインテリジェンスを持っている」と絶賛するのは、監督がイメージしたビジョンを正しく理解し、チーム内で共有させ、実際のプレーで示すことができるからだろう。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Ryu Voelkel

1

0

0

前記事 次記事