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《独占告白》「一瞬の脚がすごいから」武豊とドウデュースが秘める意地と誇り「イクイノックスはキタサンブラックによく似ているな」

2023/10/26
今年1戦のみ。休養明け。相手は世界1位。秋の盾で、過小評価するなら、すればいい。ダービー馬の意地と誇り、そしてその強さを鞍上のレジェンドは、誰よりも知っている。

 第89代の日本ダービー馬ドウデュースが、この秋の古馬三冠にフル出場を宣言した。その第一歩が10月29日の天皇賞・秋。今年は凱旋門賞に挑戦したのが牝馬のスルーセブンシーズだけだったことが、国内のビッグレースの充実という意味では好影響。

 ロンジンワールドベストレースホースランキングのレーティングで世界1位をキープしているイクイノックスをはじめ、札幌記念が想像をはるかに超える強さだったプログノーシス、函館記念とオールカマーを連勝したローシャムパーク、春の天皇賞を制し宝塚記念でも3着と奮闘したジャスティンパレスなど、これだけでも錚々たるメンバー。ほかにも大阪杯の覇者ジャックドール、昨年の牝馬二冠を制したスターズオンアース、無冠ながら常に上位争いに加わっているダノンベルーガなど、現役古馬のオールスターをすべて招集したような、すごい面子がここに揃う。

 ドウデュース自身のダービー制覇後の道のりは決して順調とは言えなかった。3歳の秋にダービー馬として凱旋門賞に向かったのは、馬主である(株)キーファーズの松島正昭代表の「私は武豊騎手の夢である凱旋門賞優勝をお手伝いするために馬主になりました」の言葉通りの真っ直ぐな行動だったが、前哨戦のニエル賞を4着、凱旋門賞はブービーの19着と、あまりにも期待とかけ離れた凡退。「ドウデュースらしさが、なぜか2戦ともまったく出なかった」と、鞍上を嘆かせ、松島オーナーの肩もガックリと落ちた。帰国後は、京都記念で格違いの強さを見せつけたかと思えば、その後のドバイ遠征では現地で直前になって歩様(ほよう)を乱してしまったことでの出走取消。ライバル・イクイノックスが走るたびに国際的な評価を高めて行ったのとは対照的な上がり下がりだ。

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photograph by Naoya Sanuki

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