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「ナンバーワンというものがないのが野球」大谷翔平が語る「世界一」への強き思い<Number1000号記念インタビュー>

2023/04/06
2020年3月に刊行されたNumber通巻1000号の誌面に登場した大谷
イチローは1年前の引退会見で評した。「世界一の選手にならなければいけない」。二刀流への挑戦に対して聞こえてきた“それでは投でも打でも一番になれない”という声を瞬く間に吹き飛ばし、“投でも打でも一番になれる”と信じて彼もまた世界一の選手を目指している(元記事は、Number1000号掲載の<二刀流の未来地図>大谷翔平「絶対世界一に、と歩むが勝ち」)。

――野球選手としての“ナンバーワン”をどんなふうにイメージしていますか。

「何をもってナンバーワン、というものがないのが野球だと思います。柔道とか水泳、陸上とか、それが個人競技なら一対一で戦って、一緒に泳いだり走ったりして、そこで一番になればそのカテゴリーの中でナンバーワンですけど、野球は団体競技ですからね。今は(マイク・)トラウトがナンバーワンだと言われますけど、いろんなデータがある中でトップの数字が多いからナンバーワンだと言われているんであって、違う見方をすれば違うナンバーワンが出てくると思うんです。ピッチャーに関しても、誰がナンバーワンかと言われたら、(ジェイコブ・)デグロムか(マックス・)シャーザーか、(ゲリット・)コールなのか(ジャスティン・)バーランダーかと議論されると思いますけど、そこに正解はないじゃないですか」

――では大谷さん自身、ピッチャーとして速い球を投げられるナンバーワンになりたいという気持ちはあるんですか。

「170kmを投げられたらそれは武器になりますから、いいなと思います。でも170kmを投げられても、ストライクが入らなければ意味がありません。しかもそれはストライクが取れる170kmなのか、ストライクゾーンを2分割して投げ分けられる170kmなのか、それとも4分割で投げられるのか。そこが重要なポイントになってきます。170kmを投げられるだけで相当なポテンシャルですけど、そのボールを自分なりに消化して、思うようにコントロールできなければ勝てるピッチャーになれないし、ナンバーワンにもなれないと思います」

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photograph by Nanae Suzuki

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