歴代新人王の明暗「1年目31ホールド→今オフ戦力外」2000安打7人、150勝に200S達成もいるが…ルーキー大谷翔平は「じつは4票だけ」だった

　今季の両リーグ新人王（最優秀新人）が発表された。

セ・リーグ 荘司宏太（ヤ）2勝1敗0S28H 率1.05
パ・リーグ 西川史礁（ロ）117安3本 37点 1盗 率.281

栗林に大勢…リリーフ投手の受賞が増えている

　近年、新人王には21年の栗林良吏（広）、22年大勢（巨）、22年水上由伸（西）、24年船迫大雅（巨）と救援投手が選ばれることが多い。少し前まで、救援投手は活躍してもあまり評価されなかったが、投手の分業が進み、中継ぎ投手の「ホールド」が重視されるようになって選出が増えているのだろう。

大勢は22年新人王だ　©Nanae Suzuki

ADVERTISEMENT

　2021年の栗林は37セーブを挙げたとはいえ「0勝（1敗0H）」で新人王になった。昭和の時代なら考えられないもので、今季のセ、荘司の成績も「令和ならでは」と言えよう。

　一方で選手層が厚くなり、新人でいきなりレギュラー野手や先発投手として活躍する選手が少なくなった側面もある。以前は「該当者なし」もあったが、2000年のパ・リーグを最後に毎年選出されている。

　新人王の歴史と資格を簡潔にまとめると、プロ野球が2リーグに分立した1950年に制定された。支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、投手は前年までの一軍での登板イニング数が30イニング以内、打者として前年までの一軍での打席数が60打席以内の選手に与えられる。

新人王“その後の明暗”

　新人王は、新人選手にとって最高のスタートだと言えるが、その後の成績は「明暗」を分けている。新人王を獲得した主な選手のキャリア全体の成績を紹介しよう。以下すべて、年は実働年数。新人王獲得年の成績と在籍チーム。

〈打者 新人王獲得選手の通算安打数10傑と新人王シーズンの成績〉
張本勲（東映）23年3085安504本1676点319盗 率.319
1959年：13本 57点 10盗 率.275
立浪和義（中）22年2480安171本1037点135盗 率.285
1988年：4本 18点 22盗 率.223
長嶋茂雄（巨）17年2471安444本1522点190盗 率.305
1958年：29本 92点 37盗 率.305
榎本喜八（毎日）18年2314安246本979点153盗 率.298
1955年：16本 67点 12盗 率.298
清原和博（西）22年2122安525本1530点59盗 率.272
1986年：31本 78点 6盗 率.304
谷沢健一（中）17年2062安273本969点42盗 率.302
1970年：11本 45点 6盗 率.251
有藤通世（ロ）18年2057安348本1061点282盗 率.282
1969年：21本 55点 4盗 率.285
青木宣親（ヤ）15年1956安145本667点177盗 率.313
2005年：3本 28点 29盗 率.344
石毛宏典（西）16年1833安236本847点243盗 率.283
1981年：21本 55点 25盗 率.311
大石大二郎（近）17年1824安148本654点415盗 率.274
1982年：12本 41点 47盗 率.274

【次ページ】　阪神ドラ1→新人王→戦力外後オイシックスに