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前田健太37歳「マエケンは終わった」から復活へ〈楽天4億円移籍の舞台裏〉ダルビッシュ有に最後の挨拶「キャリア最後のチーム…全てを捧げる」
posted2025/11/28 06:01
前田健太が杜の都で日本球界復帰を果たす
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph by
Yuki Yamada
前田健太投手(前ヤンキース傘下3Aスクラントン)が来季、楽天イーグルスでプレーすることが決まった。巨人なども獲得に動いていたが、総額4億円の2年契約が合意に達した。日本球界復帰の舞台裏と、完全復活への鍵とは。広島カープ、メジャー時代を通じて前田を取材してきたMLB担当の山田結軌記者が綴った。〈全2回の後編/前編も公開中です〉
◆◆◆
「マエケンは終わった」
春先の不調とタイガースからの戦力外。実際のピッチングを見ることのない日本のファンの多くが、30代後半に差し掛かるベテランは『もう無理だろう』と“限界説”を囁いても無理はない。
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実際にカブスとのマイナー契約直後は、前田本人も「ストライクが入る確率の高い球種を選んで、打ち損じを願うほかなかった」と振り返る、野球人生で最悪の状況だった。
心無いメッセージ「つい見てしまって…」
KOされ、炎上すれば、数字の結果だけでネットニュースの“餌食”になった。前田とて生身の人間。ネットの書き込みや自身のSNSに届く心無いメッセージに心を痛めていた。
「見なきゃいいのは、分かっているんですけどね。つい見てしまって……。調子が良ければ、見てろよ、結果で見返す! と思えるんですけど、それも思えなかった」
球速低下は、年齢による衰え、と決めつけられた。米国から遠くにいる日本のファンに前田が地道に取り組むフォーム修正は知る由もない。マイナー戦を取材するメディアもほとんどいない。だからこそ、結果で示すしか術はなかった。
体の縦ぶりフォームを思い出した7月以降、球速は再び150kmを超え、スライダーは切れを取り戻した。
「年齢でいろいろ言われますけど、日本に最後いたときよりもレベルアップできている。右打者にツーシームも投げるし、チェンジアップも投げる。投球の幅は広がっている」

