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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
CSで“同点一発”“まさかの盗塁”DeNA石上泰輝は「ミスをしても、取り戻す機会を無駄にはしない」気骨の男…目指すは「また代表の舞台へ」
posted2025/11/24 11:01
2年目の今季、序盤戦のバックアップからシーズン後半には打撃も徐々に状態を上げ、CSジャイアンツ戦では本塁打も放った石上
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
プロ2年目、今季は春先から一軍に帯同されると前半は代走や守備固めが主な役割だったが、シーズン後半になるにつれ、ショートのレギュラーとして存在感を示し、侍ジャパン初選出に繋がる活躍を見せた。
昨年の不振の理由とは?
今季の活躍の要因を訊く前に、確認したいことがあった。ルーキーイヤーの昨年、石上はオープン戦で活躍し、開幕スタメンを勝ち取り、プロ初打席初安打を放つなど上々のスタートを切ったが、その後不振に陥り、5月上旬に登録抹消されてしまう。以降一軍に昇格できないまま苦しいシーズンを過ごしていたわけだが、あのとき一体、なにが起こっていたのか。記憶を引き出すような様子で、石上は次のように答えた。
「一軍で打てなくなって以降、どうやったら打てるんだろうと考えていたんですけど、なかなかハマらなかったというのもありますし、いいなと思ったところでケガも重なり、上手くいきませんでした」
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歯車がかみ合わなかった。
「バッティングだけではなく、正直、守備面でも不安はありました。打席のなかで守備のことを考えてしまったり、また守備中にバッティングのことを考えてしまったり、気持ちの面でコントロールできなかったというのはあったと思います」
プロ1年目、野球にとことん向き合えるがゆえに迷いが生じた。プロの壁。しかしこれは誰もが通る道だ。この苦難を乗り越え、選手たちは成長していく。
バックアップとしての役割を
今季は4月末に一軍昇格するとバックアップに入ったが、自分のことはもちろん、チームのためになにができるかを考える日々だった。

