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「えっ、僕でいいんかな」寝耳に水の追加招集から日韓戦“意外”な活躍…DeNA石上泰輝24歳がWBC選出へ残した爪痕「あのレベルに追いつきたい」

posted2025/11/24 11:00

 
「えっ、僕でいいんかな」寝耳に水の追加招集から日韓戦“意外”な活躍…DeNA石上泰輝24歳がWBC選出へ残した爪痕「あのレベルに追いつきたい」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

追加招集で侍ジャパン日韓戦に参加した石上だったが、予想を上まわる躍動を見せた。WBC本番のメンバー入りへアピールしたといえるだろう

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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Nanae Suzuki

侍ジャパン日韓戦、初選出で躍動を見せたのがベイスターズの2年目、石上泰輝だった。追加招集の驚きと活躍の経緯を、チームに戻ったばかりの24歳が早速語ってくれた。〈NumberWebインタビュー全2回の1回目/つづきを読む

 黄昏に浮かぶひとつの影。『ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本VS.韓国』が終わった翌々日、横浜DeNAベイスターズの石上泰輝の姿がDOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA(ファーム施設)にあった。

 遊撃手の守備位置に入り、マンツーマンで藤田一也内野守備走塁戦術・育成コーチのノックを受けていた。果てることのない打球に石上は息を切らし、汗を流し、天を仰ぐ。厳しい球際であっても一球一球を丁寧に捕球し、一塁、二塁へと送球する。

 ノックが終わると、現役時代に名手と呼ばれた藤田コーチに捕球のタイミングや足の使い方など細かい部分の指導を長い時間受けていた。石上は真剣なまなざしで食い入るように一言も逃すまいと耳を傾けている。離れた場所からその様子を見ていても、石上の姿に意識の高さが感じられた。

寝耳に水の代表招集

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 石上が侍ジャパンに追加招集されたのは、代表合宿が始まる直前であり、まさに寝耳に水だった。そのときのことを石上は次のように教えてくれた。

「えっ、って感じでしたよ。僕でいいんかなって……」

 大学時代に日本代表候補者合宿に参加したことはあったが、そのときは大学侍ジャパンには選出されなかった。つまり、日の丸を背負うのは今回が初めての経験になる。

「宮崎合宿は、各球団のレギュラーの方がいて、ああいったなかに身を置くのは初めてだったので緊張しました。今シーズンは後半に試合に出させてもらいましたが、僕はレギュラーでもないし、規定打席にも達していない。それなのに選んでいただいてありがたかったですし、とにかく学べるものは学んで帰ろうと考えていました。実際、自分の引き出しが増えたのを感じています」

牧秀悟が手助け

 慣れぬ環境に緊張はしたが、チームの先輩である牧秀悟も同行していたため、代表のスケジュールや雰囲気などをレクチャーしてくれた。また他の選手とコミュニケーションをとる際も、牧は心強い存在になってくれた。

【次ページ】 予想を上まわる石上の活躍

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#石上泰輝

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