プロ野球PRESSBACK NUMBER
ホークス柳田悠岐が証言「何なんスかね?」「ホントに奇跡が起きた」阪神・石井大智、なぜ打たれた? ソフトバンクに聞く“石井対策”「あんなの打てないです」の声
posted2025/11/02 11:51
日本シリーズ第5戦。8回表、柳田悠岐のツーランホームランで同点に。石井大智が失点したのは57試合ぶりだった
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
JIJI PRESS
“打たれない男”が打たれた。阪神ファンにとってはまさに、セ・リーグ王者の誇りを打ち砕かれるような思いだったろう。
日本シリーズ第5戦。2−0と阪神リードで迎えた終盤8回、満を持してマウンドに向かったのは石井大智。シーズン防御率0.17という数字を叩き出したスーパーリリーバーである。
1死一塁で迎えるは柳田悠岐。その初球を、バットで擦り上げるように捉えた。打球はレフトへの大きなファウルと見せかけて、しぶとく切れずポール際ギリギリの一角へ着弾。まさかの同点弾に、甲子園は沈黙した。
ADVERTISEMENT
石井が失点したのは4月4日の巨人戦(東京ドーム)以来、57試合ぶり。ホームランを浴びたのは2023年7月13日DeNA戦の牧秀悟以来、実に146試合ぶりとなる。
打たれた150kmのストレートは、ストライクゾーンの外角低めいっぱい。このコントロールを責める人がいればバチが当たるほどの最高のボールだ。そこに対して柳田は、上半身は軽く擦るような大きなスイングを繰り出しながら、下半身は決して開かず鋭く回転させるフォームで、打球をキレさせずに着弾させた。
これぞ柳田。とはいえ、一体どこをどうすればあの球を、あのゾーンに運ぶことができるのだろう。
「何なんスかね?」「ホントに奇跡が起きた」
優勝を決め、祝勝会に向かう喜色満面の柳田に直撃すると「えー!?」と宙を見上げた。
「技術……何なんでしょう。何なんスかね? わかんないっス。あの球が来た時に、勝手に反応したという感じです」
強振することもなく、当ててもファウルにならずに……。
「何なんですかね? 本当に言葉にすると難しいんですよね。本当に勝手に体が反応したので」
得意なコースだった?


