「ミス連発でもケガ人続出でも」日本シリーズ王手・ソフトバンクの“圧倒的な底力”…山川穂高の3連発に“代打の切り札”近藤健介「勝負どころの決断だと」

　日本シリーズ第4戦はソフトバンクが、粘る阪神を振り切って3対2の1点差で辛勝。3勝1敗として5年ぶりの日本一に王手をかけた。

　試合は2回にまたもこの男の一発が号砲となる。ソフトバンクの4番・山川穂高である。阪神の先発左腕・高橋遥人投手に2ストライクと追い込まれる。そして4球目。インコースに構えた坂本誠志郎捕手のミットが動く。148kmのストレートが、いわゆる逆球となって外寄りの高めに入ってしまったのを、絶好調のスラッガーが見逃す訳がなかった。

「球が速いピッチャーなので、速い球に負けないように待ちました。打った瞬間はどうかな？　という感じでしたけど、伸びてくれて良かった」

日本シリーズ第4戦の2回に3戦連発の本塁打を放ったソフトバンク・山川穂高　©️Nanae Suzuki

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　本人の感触とは裏腹に打球は一気に加速してセンターバックスクリ―ンへと飛び込んでいった。

「僕は捕手と勝負するとだいたい負けるのはわかっている」

　こう語っていたのは昨年の日本シリーズでのことだった。DeNAの戸柱恭孝捕手の徹底マークにあって、完全に封じ込まれてしまったシリーズだった。インコースを使いながら外角を遠く見せて、ホームプレートを幅広く使う。そんな戸柱の配球だったが、その配球を意識することで、打撃がおかしくなっていってしまった反省がある。

「自分の打撃の技術面に集中できている。配球はそんなに読まず、雰囲気を感じる程度で待っている」

　シリーズ3戦連発は中西太（西鉄）ランディ・バース、金本知憲（いずれも阪神）、城島健司（ダイエー）、ブラッド・エルドレッド（広島）以来、史上6人目。

「なかなかいかついメンバーですね」と笑った山川だが、捕手との勝負をせずに、シンプルに来た球をしっかりと打ち返すことを徹底できていることが好調の秘密という訳である。

ミス連発でも王手をかけたソフトバンクの底力

　それにしても不思議なシリーズである。

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