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甲子園での日本シリーズ第3戦・阪神逆襲のカギを握るのは“山川穂高封じ”…野村克則コーチの重要証言「(山川の)3打席以降に今後のヒントが…」
posted2025/10/28 11:07
日本シリーズ第2戦で3ランを含む2安打5打点と爆発したソフトバンクの山川穂高。阪神逆襲のカギは“山川封じ”にあるのか…
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kiichi Matsumoto
2試合が終わって1勝1敗のイーブン。10月28日から舞台を甲子園球場へと移して日本シリーズは第3戦へと突入する。
阪神にとって最大のアドバンテージとなるのは、もちろんホームグラウンドを埋め尽くす虎ファンの応援だろう。驚かされたのはペイペイドームでの1、2戦だ。敵地にも関わらず外野スタンドのレフト側から三塁内野席へと左半分を埋め尽くした黄色い塊から放たれる応援歌と声援は、地元ソフトバンクへの声援を上回るのではないかと思わせる迫力だった。
その洗礼を受けたソフトバンクの山川穂高内野手は、敵地に乗り込む戦いをこう予想する。
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「甲子園ね。ペイペイでこの声援ですから……」
しかしその声援の大きさもあるリミットを越えると、むしろ“無”になるのだと山川は解説した。
「声がデカすぎたら逆に聞こえないですから。何を言っているのかよく聞こえない。それはWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のときもそうだった。歌も近くでデカい音を流しているとそうなるじゃないですか」
声援が束になって降り注ぐと、個々の音が消え、内容は判らなくなっていく。そんな“無”の感覚があるのだという。
“山川封じ”がカギを握る
その“無”の境地で敵地に乗り込む主砲が、やはり第3戦以降のソフトバンクのカギを握りそうである。
初戦で先発落ちの屈辱を味わったが、第2戦に先発出場すると1回に勝ち越し二塁打、2回にはシリーズ1号となる3ランホーマーを放つなど2安打5打点と爆発。結果的には10対1と圧勝の逆襲劇の主役を演じることになった。
山川のバットを封じることが、ソフトバンク打線を抑え込むことにつながるのは、昨年のシリーズが証明している。


