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「江夏豊⇔江本孟紀の電撃トレード」「野村克也監督で明暗」“意外な因縁”タイガースvsホークスは関西発祥の老舗球団だけど…人材交流は少ない?

posted2025/10/25 06:00

 
「江夏豊⇔江本孟紀の電撃トレード」「野村克也監督で明暗」“意外な因縁”タイガースvsホークスは関西発祥の老舗球団だけど…人材交流は少ない?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

南海時代のホークスと、阪神タイガース。野村克也は両球団で指揮を執るなど、じつは関西時代から両球団の“因縁”は多い

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Takuya Sugiyama

 セ・パ王者同士の日本シリーズ。ホークスとタイガースの“関西時代からの球団史”を振り返りつつ、両軍の戦力を比較していく。〈全2回。第2回へつづく〉

じつは唯一“本拠地も親会社も不変”のタイガース

 阪神タイガースと福岡ソフトバンクホークスの日本シリーズ進出が決まった。球史を紐解けば、ともに関西発祥で、戦前からペナントレースを戦う「老舗」同士だ。

 阪神タイガースは、職業野球を創設した読売新聞の正力松太郎社長が「中等学校野球大会で人気の甲子園球場を持つ阪神電鉄をぜひ、職業野球に加えたい」との意向で阪神電鉄に声をかけ、初年度の1936年から参加。当初の球団名は大阪タイガース。1950年にセ・リーグに参加。以後、今年で89年、本拠地球場も親会社も変わらない唯一の球団だ。

 福岡ソフトバンクホークスは「南海ホークス50年史」によると1938年、職業野球に阪急軍として参加していた阪急電鉄が「大阪南部にも職業野球があってよい」と南海電鉄を勧誘して参加が決まった。当時は南海軍。この年秋シーズンからリーグ戦を戦う。1950年にパ・リーグに参加。この年から大阪難波の大阪スタヂアムを本拠としたが、1989年、南海電鉄からダイエーグループに親会社が変わり福岡に移転した。

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 2005年にはソフトバンクが親会社となる。1993年から福岡ドーム(現在のみずほPayPayドーム)を本拠地とする。

阪神は日本一2回、ではホークスは?

 通算での成績を比較しよう。

阪神 5768勝5354敗354分 .519
1リーグ時代優勝4回 セ・リーグ優勝7回 日本シリーズ優勝2回

ソフトバンク 5794勝5101敗409分 .532
1リーグ時代優勝2回 パ・リーグ優勝21回 日本シリーズ優勝11回

 戦前は巨人と共に「二強」だった阪神だが、戦後は一度も連覇がない。ただし巨人と共に最も人気のある球団ではあった。これに対してホークスは戦後、鶴岡一人監督が就任すると、在任中に3連覇2回などリーグ優勝11回、福岡に移ってからもリーグ優勝11回、屈指の強豪チームになっている。

【次ページ】 交流戦、日本シリーズそれぞれ“ホークス優位”

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