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プロ野球PRESSBACK NUMBER
CS最終戦で決勝打「スーパーサブ“以上”の脇役」愛される男・ソフトバンク川瀬晃スタメン起用の真相…小久保裕紀監督「最後は、俺が決める」
posted2025/10/21 18:31
クライマックスシリーズ第6戦で勝ち越し打を放った殊勲の川瀬。小久保監督が川瀬の名をオーダー表に書き込んだ真意とは
text by

喜瀬雅則Masanori Kise
photograph by
Hideki Sugiyama
リーグ優勝のアドバンテージとなる1勝を含め、ソフトバンクは初戦からの2連勝で一気に、CSファイナル突破に王手をかけた。その「3勝0敗」からの3連敗は、CS史上初のことでもある。つまり、もし、第6戦で日本ハムに敗れるようなことがあれば、無傷の王手からの4連敗という、プロ野球史上初の屈辱を、球史に記すことになる。
日本ハムがすごいことをやるかもしれない
3連敗中の失点は22、得点は4。第3戦は零封負けで、計27イニングで複数得点すら挙げられていない。対して、CSファイナルでここまで4本塁打のフランミル・レイエスを中心にした強力打線。何を仕掛けてくるか分からない不気味さと、常に醸し出すその明るさで、令和の時代の新たなる監督像を描いたともいえる新庄剛志の存在。2位からの下剋上を期待する判官びいきと合わさってか、その「モメンタム」は完全に、日本ハムへと傾いていた。
これは、日本ハムが、すごいことをやるかもしれない——。
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第5戦のことだった。
観衆が黄色のジェット風船をかかげ、応援歌を声高らかに歌い上げた7回裏、山川穂高の1号ソロが飛び出したが、反撃はその1点だけ。敗色濃厚の6点差とあって、残る2イニングを見届けずに、席を立ち上がり、帰路につく鷹ファンの姿が、ネット裏の記者席からよく見えた。
小久保監督の決断
本拠地・福岡での戦いでありながら、ソフトバンクを包む空気は、何とも重苦しい。
のるかそるか、勝てば天国、負ければ地獄の最終第6戦。雌雄を決する大一番を前に、監督の小久保裕紀は、ある“方針転換”を決意したという。

