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藤浪晋太郎が告白「阪神時代、ストレスで自律神経失調症のようになった」阪神5年目の異変“ストライクが入らなくなる”苦悩「歯がボロボロと崩れる夢を…」

posted2025/10/23 11:07

 
藤浪晋太郎が告白「阪神時代、ストレスで自律神経失調症のようになった」阪神5年目の異変“ストライクが入らなくなる”苦悩「歯がボロボロと崩れる夢を…」<Number Web> photograph by NumberWeb

今年2月末、キャンプ地のアリゾナで取材に応じた藤浪晋太郎(当時マリナーズ)

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中村計

中村計Kei Nakamura

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 かつて大谷翔平よりも“天才”と呼ばれた同世代がいた。大谷に「負けた」と言わせた少年。大谷が落選した楽天ジュニアのエース……。天才たちは、30歳になってどうなったのか? 書籍『さよなら、天才 大谷翔平世代の今』が発売され話題になっている。
 その書籍のなかから“藤浪晋太郎、30歳の告白”を紹介する。阪神時代の苦悩、イップスの話、メジャー挑戦、結婚願望……今年2月、筆者はアメリカへ飛び、藤浪晋太郎(当時マリナーズ)に話を聞いた。【全2回の2回目/第1回も公開中】

◆◆◆

「阪神ファンのため息って、本当のため息なんです」

 ボール。

 ボール。

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 緑色のランプが二つ先行する。それだけで蔦に囲まれた巨大なコロシアムはため息に包まれた。

「パンパンって2ボールになると、『あ~』みたいな」

 藤浪はわずかに口を尖らせる。

 阪神のホームである阪神甲子園球場は日本一感情豊かな球場でもある。自チームの選手が活躍すれば我を忘れて狂喜乱舞し、反対に失態を演じようものなら子どものように悲嘆に暮れた。

 藤浪は2013年から2022年まで10年間、阪神タイガースのユニフォームを着ている。大阪桐蔭時代に体感した甲子園とプロ野球選手になってからの甲子園は、相貌がまったく違って見えた。

「高校野球は地元の高校だったので、やや桐蔭贔屓かなぐらいだった。プロになると360度、ほぼ阪神ファンなんで。成績が出ないと手の平を返したようになりますし。全員阪神ファンであるがゆえに全員が敵にもなり得る。敵とまでは言わなくても、やりにくい空気になる」

 アメリカのホームグラウンドは日本以上に地元ファンで埋め尽くされる。だが、球団差はあるにしても、アメリカ人は勝っても負けてもあくまでエンターテインメントとしてベースボール観戦を楽しみに来ていた。

 藤浪が続ける。

【次ページ】 藤浪の異変…5年目から別人に

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