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獅子の遺伝子BACK NUMBER
伸び悩む菊池雄星に「お前はどっちがええねん」西武・炭谷銀仁朗が新聞記事を手に諭した日…“涌井秀章から武内夏暉まで”「投手との対話術」
posted2025/06/03 11:03

若き日の菊池雄星と炭谷
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Hideki Sugiyama
巨人、東北楽天を経て再び古巣の西武に復帰した炭谷銀仁朗捕手。ベテラン捕手の存在は、昨シーズン最下位から再建を図るチームの求心力となっている。今夏38歳となる炭谷に、これまでの歩みと若い選手たちへの思いを聞いた。〈全2回の前編/後編を読む〉
今シーズンは21歳の新星・菅井信也と先発バッテリーを組み、一軍経験の少ない菅井を熟練のリードで導いている炭谷。昨シーズンはルーキーの武内夏暉の先発時にマスクをかぶり、新人王獲得の活躍を演出した。
頼もしいベテランについて、武内が振り返る。
「炭谷さんのサインに一度だけ首を振って自分の投げたい球種を投げたことがあるんですが、見事にホームランを打たれました。その後はすべて炭谷さんの言う通り、一度も首を振ったことはありません」
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武内の故障からの復帰戦は古賀悠斗に先発マスクを譲ったが、投手陣から絶大な信頼を得ていることは確かだろう。
「菅井の一番の課題は…」
2023年オフ、楽天を自由契約となり、24年シーズンから古巣のライオンズに復帰した。ここまで4勝(6月1日現在)を挙げている菅井について炭谷は言う。
「菅井の一番の課題はメンタルです。真面目な性格だけに、ヒットを打たれたり、ちょっと相手打線につかまりだすと、深刻に考えて自分で自分を追い込んでしまう。考え過ぎるせいで崩れるパターンが多いので、菅井には言葉は悪いですが『もっと遊べ』と言っている。相手バッターをおちょくれるピッチングができるともっと結果が残せると思いますよ」