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横浜DeNA牧秀悟はなぜ“ドラフト2位”指名だった?「よお2位で獲れたなぁ、あんなゴッツイの…」26年ぶり“日本一の主砲”がドラ1じゃなかったワケ
posted2024/11/16 11:01
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
9月11日、たまたま居合わせた阪神甲子園球場。
初回、横浜DeNAの2番打者・牧秀悟二塁手(中央大)が、村上頌樹投手(東洋大)のフォークボールを甲子園球場の左翼スタンド中段に放り込んだ。
同じ東都六大学の同期生、リーグ戦で慣れ親しんだ球筋……カウント球として、ストライクゾーンに持ってきたフォークの軌道にも平然と、いとも簡単に捉えたように見えていた。
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翌日の新聞によると、入団1年目から4年連続の20本塁打は、過去に有藤通世(内野手・元ロッテ)、原辰徳(内野手・元巨人)、清原和博(内野手・元西武ほか)、石井浩郎(内野手・元近鉄ほか)の4人だけだそうだ。なのであれば、間違いなく「快挙」であろう。
「さすが、ドラ1だけのことはあるわ!」
スタンドの後ろのほうから、こんな声が聞こえてきた。しかし、それは誤り。牧秀悟選手は、2020年ドラフトの横浜DeNA「2位指名」である。
「その年のタイガース、誰やったん、ドラ1?」
「サトテル(佐藤輝明)やろ。コロナの(始まった)年やから」
即答だったから驚いた。ファンの中には、ビックリするほど詳しい知識を持っている方がいて、こちらのほうが恥ずかしくなることがよくある。
「でも、サトテルのほうがホームラン、よおけ打ってるやろ?」
確信のあるもの言いだったが、これも誤りだった。
ちょっと調べてみたら、本塁打のみならず、安打数、打点数、打率……およそ、タイトルに関わる「数字」について、すべて牧選手のほうが上だった。
「よお2位で獲れたなぁ、あんなゴッツイの……」
「牧は2位やな」
別の声が聞こえた。調べたのだろう。その訂正のひと言に、
「2位かぁ。よお2位で獲れたなぁ、あんなゴッツイの……」
そう返したひと言が、妙に頭に残った。
今やプロ野球界を代表する右のスラッガーとして台頭した横浜DeNA・牧秀悟が、なぜ2位指名だったのか。なぜ1位じゃなかったのか?
俄然、興味が湧いてきた。
たった4年前のことなのだが、いろいろな出来事が頻繁に起こる球界なので、もう記憶があいまいになるようで、関係者たちからは断片的な話ばかりだった。だが、それらを繋ぎ合わせるとなんとなく「概要」が見えてきたように思う。