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平良海馬でも髙橋光成でもない…「メジャー評価がいま最も高い西武の投手」今井達也26歳は何がスゴイ? スカウト「防御率1点台を見せて欲しい」
posted2024/05/16 06:01
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph by
JIJI PRESS
シカゴ・カブスの今永昇太がMLB全体でもトップレベルの快投を続け、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸がデビュー2戦目から安定した投球を披露している。日本から来たルーキーたちがアメリカで快進撃を見せれば見せるほど、新たに注目を寄せられるのはNPBでプレーする日本人投手たちだ。
佐々木朗希だけじゃない日本投手の注目株
次に出てくるのは誰か――。
もちろん、最注目は2023年オフにポスティングシステムでの移籍を求めた佐々木朗希(ロッテ)だ。
「健康なら、佐々木朗希がメジャーで活躍できることはすでにわかっています」と、あるMLB球団のスカウトが言うように、“令和の怪物”こと佐々木はすでに別次元にいる。160km超のストレート、落差の大きなフォーク、鋭いスライダーを誇り、2023年のワールド・ベースボール・クラシックでも自身の実力を知らしめた。
一方で、MLBのスカウトたちは別の視点も持って視察を重ねている。
「レベルの高い日本人投手は他にもたくさんいる。ただ、メジャーで通用するかどうかは、見極めが必要になります」
そうした観点を持ち、各球団の担当者が足繁く通う場所が埼玉県所沢市のベルーナドームだ。
3本柱のメジャー志向
27歳の髙橋光成、26歳の今井達也、24歳の平良海馬。三者三様の特徴を持つ右腕投手たちはいずれもMLBへの移籍を希望している。彼らが所属する西武はその意思を受け止め、近年のドラフト会議では隅田知一郎(2021年)、武内夏暉(2023年)というその年に最高の評価を受ける即戦力投手を獲得してきた。
髙橋、今井、平良はいずれも海外FA権の取得にはまだ年数を要し、早く移籍するにはポスティングシステムでの入札を経てになる。西武にとって譲渡金は魅力的な一方、戦力的に考えれば3人を同時期に放出することは考えにくい。切磋琢磨して成長してきた彼らは、仲間内の競争にもさらされているわけだ。