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大谷翔平効果で中日の「背番号17」が爆売れ中…“そっくりデザイン”に秘めた星野仙一の野望と「入団会見にドジャースユニ混入」の真相は
posted2024/02/09 11:00
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
AFLO/JIJI PRESS
中日の柳裕也のレプリカユニホーム「バカ売れ問題」が、ネットや地元テレビ局で盛り上がっている。実際に球団公式グッズショップでも、まさしく「バカ売れ」しているそうだ。さすがは選手会長。そして自称「心のイケメン」。人気急上昇について、応援番組「サンデードラゴンズ」の公式YouTubeで語っている。
「けっこう(売れているという)話題になってましたし、僕も柳(自身)のニュースを見るんですよ。でも決まり文句のように(取材された)店員さんが『大谷さんがドジャースに決まりかけてからですね』って。いや、ひと言多い。やかましいわ!」
もちろん後半は柳ならではの軽妙なトークである。バカ売れしているのは白が基調のホーム用だけ。バカ売れし始めたのも、大谷翔平のドジャース入団が決まってから。背番号が同じ17番。要するに「似ている」というのがバカ売れの理由だった。
“そっくりユニ”の歴史
瞬く間に本家が入手困難になってしまったがための代用品。色や字体だけでなくスペルも「Dodgers」と「Dragons」。しかし、いくら似ていても違う。それをわかっていて購入して満足感が得られるのか。それともネタとして楽しんでいるのか。
そもそも、なぜ両チームのユニホームは似ているのだろう。その歴史は1987年にさかのぼる。星野仙一監督が就任し、すぐさま「打倒巨人」に動き出した。前年の冬にすでに三冠王を3度獲得していた落合博満のトレードに、ロッテが動いているという情報をつかむと、牛島和彦ら4人を放出する執念で、巨人との激しい争奪戦を制した。