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「バースと勝負する?」掛布雅之×吉田義男×岡田彰布が語った“1985年阪神日本一”のありえない熱狂「バックスクリーン3連発よりも…」

posted2023/11/02 11:00

 
「バースと勝負する?」掛布雅之×吉田義男×岡田彰布が語った“1985年阪神日本一”のありえない熱狂「バックスクリーン3連発よりも…」<Number Web> photograph by Yoshiyuki Hata

1985年阪神日本一のレジェンド(左から)掛布雅之、吉田義男、岡田彰布による初の豪華座談会をお届けする(2015年刊行のNumber885号より)

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Number編集部

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Yoshiyuki Hata

 虎党にとっては“神”ともいえるレジェンド3人が、球団創設80周年、あの日本一から30年を経て一堂に会した。栄光の1985、最強チームはいかにしてつくられたのか。虎を愛し、虎に愛された男たちの初の特別鼎談!
 2015年刊行のNumber885号に掲載された、掛布雅之×吉田義男×岡田彰布「猛虎に惚れた人生やから 1985レジェンド初鼎談」より内容を一部を抜粋してお届けします。【記事全文はNumberPREMIERにてお読みいただけます】 (井坂善行=司会/内匠宏幸=取材協力)

1985年の阪神優勝が語り継がれる要因

吉田 歳を取る、いうのはエエことやな。昔のことをこうして集まって話せるのは、幸せなことでっせ。

岡田 3人で話すのは初めてですよね。

掛布 本当に初めてだね! しかし今年は80周年ということで、我々の’85年の日本一があらためて取り上げられることも多いでしょう。これは光栄であり嬉しくもある半面、恥ずかしいような。たった1回の優勝をここまで引っ張るか、という(笑)。

――星野仙一監督の’03年、岡田監督の’05年もリーグ優勝はしてますけど、事あるごとに’85年まで戻ってしまうんですよね。

岡田 やっぱり(その後の優勝は)日本一じゃないからなあ。

吉田 そうですな。ただ、’85年の時は野球で勝った、負けた、ということだけじゃなくて、社会現象が起きていたということが語り継がれていく要因やないですか。

「巨人には伝統はあるけど、阪神には伝統がない」

――熱くなった阪神ファン同士が喧嘩して死亡した、なんてこともありました。

吉田 優勝したときは道頓堀や梅田がえらい騒ぎで、タクシーがひっくり返されたとかなんとか、言われてましたなあ。

掛布 最近はそこまでじゃないですからね(笑)。実は僕が’85年と聞いて思い出すのは、今は亡き小林繁さんのことなんですよ。

吉田 というと?

掛布 あの頃、江川(卓)との「空白の一日」のトレードで阪神に入ってきた小林さんが、「巨人には伝統はあるけど、阪神には伝統がない」ということをよく言っていたんです。僕はまだ若くて、「何を言ってるんだこの人は」と思ってたけど、今こうして80周年で色んなイベントに出させてもらっていても、結局’85年のことばかり聞かれる。だから、阪神は歴史はあるけど伝統はない、っていう小林さんの言葉が初めて判るようになった。

岡田 俺、小林さんの言葉で一番思い出すのは、「巨人の選手は試合の前にひげを剃るけど、阪神の選手は試合が終わってからひげを剃る」。あれは忘れられへんわ。

“バックスクリーン3連発”のインパクト

掛布 試合に臨む意識の高さがそれまでの阪神の選手とは違ったよね。今思えば、小林さんが巨人から来て1年目に、巨人に対して8勝負けなしのピッチングをした。あれを見て初めて、「タイガースの4番としてこの人に負けるわけにいかん」という危機感を僕は感じたし、おかげでホームラン王も獲れた。だから、あの人なくしてその後の’85年の優勝もないと思ってるんだよ。

【次ページ】 “バックスクリーン3連発”のインパクト

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