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「まさか涙を流してもらえているとは」宮原知子、1日限りの“現役復帰”でチームジャパン優勝! 坂本花織も「まばたきを忘れるくらい…」 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2023/10/15 17:01

「まさか涙を流してもらえているとは」宮原知子、1日限りの“現役復帰”でチームジャパン優勝! 坂本花織も「まばたきを忘れるくらい…」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

ジャパンオープン、1日限りの“現役復帰”で見事な演技を披露した宮原知子

「まさか、感動で涙を流してもらえてるとは思っていませんでした。ありがとうございました」

 すると隣にいた坂本も、こう伝える。

「ジャパンオープンの1週間前に、友野君から『さとこちゃん凄いよ』と言われたんです。それで燃えて、そのお陰でジャパンオープンをちゃんと演技できました。燃やしてもらったことに感謝してます」

 友野もうなずきながら答えた。

「朝から緊張しかありませんでした。でも宮原さん、かおりちゃん、高志郎の演技を見て、自分も良い演技をしようと思うことができました」

 そして、坂本と友野がやりとりを続ける。

「さとこちゃんの演技は、まばたきを忘れるくらい見入ってしまう。1日現役がもったいない。まだまだ見てたいなって思いました」(坂本)

「地方大会とか!? 趣味でも!」(友野)

「きっつい趣味やで」(坂本)

 宮原を中心に、スケーター達が気持ちを交わし合う姿が印象的だった。

競技の勝敗を超えた愛

 試合はチームジャパンが優勝。その表彰式では、2位になった北米チームのジェイソン・ブラウンが宮原をお姫様抱っこして祝福した。そのシーンを見て、ふと、平昌五輪の団体戦を思い出した。演技後の宮原を、ライバル国であるイタリアのカロリーナ・コストナーが抱擁で迎えたのだ。

 宮原のいる試合にはいつも、競技の勝敗を超えた愛があった。多くの選手に尊敬され、そこに友情の輪を生み出すスケーター。宮原のいる柔らかな時間が、ジャパンオープンの会場を包んでいた。

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