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近江・山田陽翔「まさかの5位指名」はナゼ? 西武編成が明かす“急転直下の舞台裏“…「あの試合を見るまでは“打者評価“でした」
posted2022/11/14 11:01
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph by
JIJI PRESS
「いやー、好青年でした。人気がある選手というのは知っていたけど、たしかに彼には人を惹きつける何かがあるね」
そう話すのは埼玉西武ライオンズ・球団本部編成グループディレクターの潮崎哲也だ。11月4日、近江高校で行われたドラフトの指名挨拶で、“甲子園の主役”と初めて対面した。
「少し会話しただけで、人間力が伝わってきた。目つきも勝負師らしくて、ちょっと頑固そうなところもいいよね」
目尻を下げてそう振り返る。席上、「プロ野球選手になるにあたって不安はない?」と尋ねると、「寮生活をしたことがないから少し不安です」といかにも18歳らしい答えが返ってきた。
「高卒で3人同期がいるし、寮の目の前がグラウンドだから朝イチで通学している今より練習環境も整っている。『絶対大丈夫だよ』と伝えました。彼は先輩からも愛されそうだしね」
山田陽翔18歳、ライオンズ黄金期の“アイドルエース”だった編成トップの心すら、一瞬で鷲掴みにしてしまったようだ。その凛々しい立ち振る舞い、気迫に満ちたプレーから対戦校の監督をも虜にするという山田は「おじさんキラー」的要素にあふれている。そういえば、近江・多賀章仁監督も取材時に「山田のスゴイところ」をしきりに語り、ただただ“山田陽翔ファンのおじさん”と化していたのを思い出す。