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【DeNA】阪口皓亮が伊藤光から学んだ“キーマン見破りの術” 三浦監督が期待する21歳は“ゴロ打たせ名人”になるか
posted2021/03/15 11:03
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
「僕はグラウンドボーラーですから」と、阪口皓亮は迷いのないすっきりとした表情で力強く語った。
グラウンドボーラーとは打者から高い割合でゴロを打たせることのできるピッチャーを指し、当然、長打の危険性は減り、球数も制限でき、効率的なピッチングが可能となる。
横浜DeNAベイスターズの阪口は、身長187センチからなるしなやかな長い四肢をダイナミックに使う真っすぐの威力に長けた先発タイプの投手だが、ここ数年、三振を奪うスタイルから徐々にモデルチェンジし、確実にバッターを打ち取る術を覚えていった。
「1球で終わらせられたら、それに越したことはありません。僕らの仕事はアウトを量産することですが、それが三振である必要はありません。もちろん状況によって狙うこともありますが、頻度は少ないですし、そこは冷静にちょっと大人になったのかなって」
4年目の22歳。阪口は人懐っこい笑顔でそう語った。
8割の力で追い込んで、最後は全力で仕留める
一軍ではまだ未勝利だが、昨年はイースタンで勝率1位のタイトルを獲得するなど目に見える結果が出始めており、奪三振率が下がりながらもフォアボールやワイルドピッチが減り制球力は確実に向上している。
「意識してきたのは力感ですよね。まずは制球を意識して8割の力で追い込んで、最後は全力で仕留める。昨年はゲームの入り、イニングの頭、ピンチの場面など状況を見ながら、自分の力感を変えることができました。あとはキャッチャーと積極的にコミュニケーションを取ることが勉強になり、そこがいい投球に繋がったと思います」
普段は一学年上の山本祐大とバッテリーを組み、意見を交わしながら試合を作る機会が多かった阪口だが、昨年はファームで調整していた伊藤光と組む姿がよく見られた。経験豊富な伊藤からは学ぶことが数多くあったと阪口は言う。