猛牛のささやきBACK NUMBER
采配的中!ガッツポーズも笑顔も。
新生オリックス中嶋監督代行の言葉。
posted2020/08/25 11:50
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kyodo News
8月20日、オリックスは今シーズン53試合目で大きな節目を迎えた。16勝33敗4分で、首位に12ゲーム差、5位西武にも7ゲーム差がついた試合後、西村徳文監督の辞任と、中嶋聡二軍監督の監督代行就任が発表された。
球団のプレスリリースには「西村徳文監督に辞任を要請し承諾されました」とあり、事実上の解任だったことがわかる。
西村監督2年目の今季は、開幕戦に9年連続で敗れて開幕カードに負け越すと、2カード目にはロッテに6タテを喫し、1勝8敗と大きく出遅れた。一時は借金3まで減らし最下位を脱したが、再び負けが込み、8月は20日までの16試合で2勝しかしていなかった。
福良淳一ゼネラルマネージャーは、「こういうチームじゃないし、ポテンシャルの高い選手もたくさんいる。まだまだこれから巻き返せるということでこういう決断になった」と語った。
中嶋監督代行「期待するのは選手に」
オリックスは12球団でもっとも長い23年間優勝から遠ざかっており、2015年以降はAクラスにも入っていない。積み重なってきた負の遺産もあり、今季の成績は監督だけの問題ではない。
ただ今年は開幕から、疑問の残る采配で勝ちを逃した試合もあったように感じる。しかも試合後の代表取材では、采配や選手起用について「そこはいろいろ」とはぐらかすことが多かった。もちろん戦略上明かせないこともあるのはわかるが、監督の意図が何も伝わってこなかった。
一夜明けて行われた、中嶋監督代行の就任会見は、一風変わった脱力会見だった。
「昨日の二軍の試合後に(福良GMに)電話で『ちょっと、覚悟しとけよ』と言われて、正直、無理だと思いました。不安しかないです」
ファンへのメッセージを求められると、「あまり僕に期待しないほうがいいと思います。期待するのは選手にしてほしいなーと。僕は、たいしたことないんで」と答えた。
それでいて、選手のことになると、「まだまだ自分本来の力を出し切っていない選手が多い」と熱く語る。
その出し切れていない力を引き出すために、「どういう考え方で打席に立ったのかとか、どういう球を待っていたのか、どういうことを考えて投げたのか、というようなことは対話できると思う。それに対して、あまり難しく考えずに、シンプルにアドバイスできたら」と語った。