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流大とも田中史朗とも違う“ゴツさ”。
サンウルブズSH木村貴大の挑戦。

posted2020/03/05 20:00

 
流大とも田中史朗とも違う“ゴツさ”。サンウルブズSH木村貴大の挑戦。<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

テスト生としてサンウルブズに加入し、スコッド入りを果たした木村貴大。国外開催に変更された遠征に追加招集された。

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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Nobuhiko Otomo

 2月27日、ラグビーファンを落胆させる発表があった。

 3月に日本国内で行われるはずだったスーパーラグビー・サンウルブズの2試合が、国外に移されることが決まったのだ。

 理由はもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大だ。

 スーパーラグビーは、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンと日本をあわせた5カ国の、期間限定で結成されるスーパークラブ15チームによるリーグ戦である。

 この大会の最大の特徴は移動距離の長さだ。地球のちょうど正反対に位置する日本とアルゼンチンのチームがともに入っているリーグが、集中開催のトーナメントではなくホーム&アウェーのリーグ戦を行うという、普通では考えられないスケールで長距離移動を繰り返し、毎週のリーグ戦を半年近くにわたって行う、それはそれはタフなリーグ戦だ。

サンウルブズの試合も国外開催に……。

 3月に、日本で予定されていたのは8日に大阪・花園ラグビー場でのブランビーズ(オーストラリア)戦と、14日に東京・秩父宮ラグビー場で行われるはずだったクルセイダーズ(ニュージーランド)戦だ。

 8日の試合は、政府が2月末に発表した「2週間の大規模イベントの自粛要請」を受け開催を断念。14日の試合は、2週間の自粛要請期間はギリギリ外れるが、サンウルブズは翌週からまたオーストラリア遠征が待っていて移動スケジュールが厳しくなること、感染収束の見通しが不透明なことなどから、オーストラリアに腰を落ち着けて戦うことになった。

 8日のブランビーズ戦は、大阪・花園で初めてのスーパーラグビーの試合が、14日のクルセイダーズ戦は、スーパーラグビー最多10度の優勝を誇り、現在も3連覇中の最強チームの初来日だったのだが、ともになくなってしまったのだ。

 そんな悲報を、サンウルブズは吹き飛ばすことができなかった。決定の2日後、29日にニュージーランドのネイピアで行われたハリケーンズ戦に、サンウルブズは15-62というスコアで大敗してしまう。今季限りでスーパーラグビーからの除外が決まっているサンウルブズは、今季開幕戦で勝利を飾り、幸先のいいスタートを切っていたのだが……。

【次ページ】 追加招集に「木村貴大」の名前が。

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