令和の野球探訪BACK NUMBER
SBドラフト2位東海大・海野隆司に
スカウトが重ね合わせた名捕手の姿。
posted2019/11/20 11:40
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
先月のドラフトでソフトバンクから2位指名された東海大・海野隆司。
今季は首都大学リーグ4連覇に貢献し、侍ジャパン大学代表でも正捕手を務めた。勝利に導くリードもさることながら、二塁送球が1.7秒台を計測したこともある強肩、巧みなワンバウンド処理技術を持ち合わせ、名実ともに「大学球界ナンバーワン捕手」という高い評価を受けた。
そんな海野が大学最後の公式戦である明治神宮大会に挑んだ。
エースを欠く中、牽引した海野。
11月19日の大学の部、準決勝。東海大は9回2アウト2ストライクから同点に追いつく接戦を演じるも、延長タイブレークの末に7-8で関西大に敗れ、春に続き4強で姿を消した。悲願の日本一に届かなかった。
スタンドへの挨拶までは堂々とした振る舞いを見せていた海野だったが、試合後の取材エリアにやってきた彼の目は真っ赤になっていた。
「何度も接戦に勝ってここまで来て、力負けという感じはしません」
今大会、東海大は来秋のドラフト上位候補右腕とも言われる山崎伊織が右肘の違和感により登板を回避した。だが、エースを欠く苦しい状況の中でも初戦から9-8(対東北福祉大)、7-3(対中央大)と強豪に競り勝って準決勝まで駒を進めてきた。チームを牽引してきた海野に、ソフトバンク荒金久雄スカウトは捕手としての資質の高さをあらためて感じたという。