“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER

ドラフトで高校生指名が上手い球団。
「パ高セ低」にも変化が起きる? 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

photograph byHideki Sugiyama

posted2019/11/12 19:00

ドラフトで高校生指名が上手い球団。「パ高セ低」にも変化が起きる?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

甲子園を沸かせた星稜バッテリーはともにセ・リーグへ。今年も多くの高校生がプロの門をたたく。

「パ高セ低」に変化が起こる?

 短期間で答えが出ないのが高卒選手を評価するときの難しさである。彼らの成長を待てずに即戦力候補に手を伸ばして小さくまとまる、というのが過去15年間、セ・リーグ各球団のたどってきた道なのかもしれない。ちなみに、大田の活躍は日本ハム移籍後なので実質、巨人はゼロとなる。岡本和真('14年1位)はいずれ成功ラインに到達するだろうが、巨人の高卒選手はなかなか芽が出ていない。今年多くの高校生を獲得した阪神や山本由伸ら若手の成長著しいオリックスも、現状は1人だった。

0100」の高校生に最も意欲的なのがロッテである。'15年以降、平沢大河、安田尚憲、藤原恭大、佐々木朗希と高校生を1位で指名し、さらに佐々木以外の3人が野手である。大成に導くのが難しい“高卒の強打者タイプ”が順調に成長すれば、ロッテが覇権を握る日も近いかもしれない。

 また「パ高セ低」現象がここ15年以上続くが、'18年、'19年の2年でのドラフトを見てみると、高校生の1位指名がパは5人、セは7人と逆転している。これはセ・リーグの勇気の証明でもある。密かに小さな変化が起こりつつあると見ている。

BACK 1 2 3 4

プロ野球の前後の記事

ページトップ