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阪神の先発陣に“白星”がつかない。
藪恵壹が考える不振脱却のポイント。
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2019/07/26 11:40
24日、二軍で初実戦に臨んだソラーテ。両打ちで内外野をこなせる器用さに加え、昨季まで5年連続2桁本塁打の打棒に期待がかかる。
安定感ある西も未だ4勝。
特に、今シーズンから加入した西勇輝は、ここまで防御率も2点台と安定した活躍を見せているにもかかわらず、4勝しか上げられていません。6月14日の古巣・オリックス戦では、4対2で勝っていた8回に西を続投させたことで、結果として逆転され6敗目となってしまいました。
タイガースはリリーフが他チームに比べて安定しているのですから、そこは西に勝たせるという意味でも、中継ぎ陣に任せたほうがよかったと思います。100球以上投げさせて負けをつけてしまうというのはベンチが一番やってはいけないことですし、4勝5敗のはずが3勝6敗になってしまうのでは、精神的にもショックは大きいです。
先発の勝ち星が少ない原因の1つには、こういった投手交代のタイミングの悪さも挙げられるでしょう。
ルーキー近本、捕手・梅野の固定は大きい。
とは言っても、やはり問題は得点力不足です。
点が入らないから、投手陣が1、2失点に抑えても負けてしまう。当然、大量失点したときにも負けます。野手陣は、自分たちが打てていないから、ある意味負けても納得がいきますが、投手にとってはとても残酷です。先発を勝たせてあげられないというのは、こういう悪い流れをチーム内に生んでしまうのです。
では打線を見ていきましょう。
バッターは、なんといっても近本光司が開幕からずっと頑張っていますね。今や不動の1番と言ってもいいでしょう。欲を言えば、盗塁成功率をもう少し上げてほしいです。本当はルーキーである近本に頼るべきではないのですが、現状ではどうしても頼らざるを得ないですからね。
センターを守る近本と合わせて、キャッチャーとして梅野隆太郎が固定できたのも大きいでしょう。交流戦前までに比べると最近は打率を落としてきてはいますが、守備の面でも、センターラインが固定できているということは強いチームの必須条件です。