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西武・十亀剣プロ8年目で50勝到達。
“力まない投法”で生まれた安定感。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2019/07/25 07:00
ファンとハイタッチする西武・十亀剣。ドラフト1位で2012年に入団、先発投手陣のなかでは内海、榎田に続く年長者となる。
終盤に必要となるベテランの力。
今年、十亀は32歳になる。先発投手陣の中では内海哲也、榎田大樹に続く年長者である。
「ルーキーの松本航が22歳、高橋光成が22歳、今井達也が21歳。今、先発で頑張っている選手がみんな10歳近く下で、自分もベテランと呼ばれる歳になったんだなと思います。だから今、内海さんと榎田さんが(一軍に)いない分、僕が何かあったら若手に言えるようにはしたいですね。
それには僕自身が、練習で手を抜いていたらダメでしょう。まずは僕の練習に対する姿勢を見て、何かを感じてくれればいいと思います。別に『ああはなりたくないな』という反面教師でもいいですから(笑)」
姿勢を見せ、そこで相手が何を学ぶかはその選手次第だと考えている。
ペナントレースはいよいよ終盤戦に突入する。7月23日現在、ライオンズはゲーム差5でトップのソフトバンクを追っている。
「まだまだ上のチームを叩くチャンスは何度もあります。その中で自分もしっかりと結果を出したいですね。そして、今年こそ、優勝の輪の中でみんなと一緒に喜びたいです」
一進一退を繰り返すであろうシーズン終盤には、ベテランの力に頼りたい局面が必ず訪れる。十亀にとっては、昨年味わった悔しさを晴らすチャンスでもあるはずだ。