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阪神から西武へのトレードで激変!
榎田大樹はなぜ輝きを取り戻せた?
posted2018/07/26 10:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
敗れれば今シーズン初の首位陥落だった。
7月22日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦、先発した榎田大樹は勝利投手の権利こそ得られなかったが、7イニングを投げて3失点。味方の反撃につながる好投を見せた。
榎田が埼玉西武ライオンズの一員になったのは今シーズンの開幕直前、3月14日のことだった。移籍会見の席で榎田はこう語った。
「周りの人からも、このトレードはチャンスだと言われました。自分でもチャンスにしたい」
そのときの心境をこう振り返る。
「チームが変わることによって、球団の方たちは僕に先入観を持たず、一から評価してくれると思ったんです。今までの僕を知らない分、まっさらな感覚で見てもらえる。だから大きなチャンスだと思いました。
それにトレードで獲得してもらえたということは、実際に首脳陣に見てもらえる機会も増える。使ってもらいやすい環境になりました。だから、阪神時代よりチャンスはあるのかなって思いました」
阪神時代は4勝が最高成績だった。
7シーズン在籍した阪神時代は、故障の影響もあり、2013年に挙げた4勝が最高戦績。ところがライオンズに移籍したあとは開幕から先発ローテーションを守り、5月13日まで登板した4試合(他に中継ぎ登板も1回)、すべてで勝利投手となった。
6月3日の阪神戦では、古巣を7回3失点に抑え5勝目を記録。現在までローテーションを外れることなく、自己最多の7勝を挙げている。
確変、躍進、そんな言葉が似合う活躍ぶりだ。