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<アスリートはゴルフに夢中!> 白鵬翔 「ゴルフも相撲も心技体」
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/11/20 06:00
“勝負師”ならではのゴルフの楽しみ方を聞いた。
好評発売中の雑誌Number Do『この秋、知っておきたいランのABC』の
第2特集『アスリートはゴルフに夢中!』より、
横綱・白鵬の記事を特別に動画つきで全文公開します!
相撲界にゴルフ好きの親方や力士は多い。先の9月場所で27回目の優勝を決めた横綱白鵬も、大のゴルフ好き。横綱としてのプレッシャーから解放され、息抜きやストレス解消となる、数少ない楽しみのひとつなのだとか。
初めてコースに出たのは、2005年11月の九州場所後で、まだ小結時代のこと。後援会の人に連れて行かれ、道具も靴もすべて借りてやったんですね。それまで、たまに付き合いで打ちっ放しには行ったことはありましたが、とにかく下手くそで、この時のスコアは数えられないくらい。最初はまったく楽しくなかった(笑)。
相撲とゴルフとでは、使う筋肉が全然違いますね。力士は普段歩かないし、18ホール歩き疲れてヘトヘトだったこともあってか、翌日は、体じゅうが筋肉痛になりました。でも、ゴルフ場の芝生を歩くとモンゴルの草原を思い出すし、なにより、ときどきでもいいショットが打てるのがうれしい。「あのショットをもう一度打ちたい!」と思うようになるんですよね。
13年前、初めて相撲を見た時に、「勝負がつくのが早いし、簡単な競技だな」と思ったけれど、実際に自分がやったら、まったく逆でした。ゴルフでも、止まっているボールを打つだけで誰にでもできるはずなのに、これが難しい。簡単でシンプルなことほど、奥が深い。ちなみに私には、ゴルフの師匠はいません。テレビでトーナメントを見たり、レッスン番組を見て、一応勉強はしていますが。
大きな体ですがアプローチやパターが得意なんです。
よく、ゴルフには性格が出ると言いますが、私も出てますねぇ。血液型がA型だからか(笑)、細かいアプローチやパターが得意。ドライバーでかっ飛ばすより、小技を効かすんです、この大きな体で(笑)。子どもの頃にバスケットボールをやっていましたから、シュートする時の「穴にボールを入れる距離感覚」が通じるのかもしれません。
負けず嫌いの性格で、ゴルフもやっぱり勝負だから負けたくはない。ゴルフがうまくなりたいという執念も、勝負師ですから、どうしても出てしまいます。でも、コースに出ることも練習も、する機会が少ないですからね。もしプロを目指すくらいの気持ちで徹底的に練習したら、それなりの自信はあるんです。