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「そういう質問が来たことが嬉しかった」宇野昌磨が『Ice Brave』の“アイスダンス”で挑戦したこと、表現できたこと「認めて欲しさがありました」《野口美恵コラム後編》<Best Selection>

 宇野昌磨プロデュースのアイスショー『Ice Brave』が大好評のうちに終了した。11月に開幕するの『Ice Brave2』も発表されているが、このショーで表現された宇野昌磨の資質とは何か。プロデューサーの宇野さん自身、そしてステファン・ランビエルさんへの単独インタビューでも聞き手を務めたライター野口美恵さんが「前編/後編」で綴る。前編はこちら
 2025年6~9月にNumberPREMIERで公開された記事の中で、人気の高かったものを再公開します。《初公開:2025年7月21日》

 宇野さんは、初めて自身が手掛けるショーに向けて、いくつかのプランを考えていた。

「このショーのコンセプトは、まずは僕自身の現役時代の曲をメインに軌跡をたどって、ファンへの恩返しをすること。ただ、何か新たな挑戦をしたい。その意味で、アイスダンスや、陸のダンサーさんによる振り付けのプログラムを入れました」

 そう考え、まず着手したのが本田真凛さんとのアイスダンスだった。

「去年の10月ごろからアイスダンスエッジに変えて、本格的にスタートしました。自分のショーをやると決まった時点で、アイスダンスは入れたいと思って。単なる2人のコラボナンバーとして見られたくない、アイスダンスとしてやりたい、という思いがありました」

 実は、シングル競技とアイスダンス競技では、エッジ(ブレード)の形が異なる。シングルはジャンプを跳びやすいようにトウピックが大きく、滑りを安定させるためブレードのかかと部分が長い。アイスダンスは組んでいる2人の足がぶつからないようブレードが短く、ターンなど細やかな動きをしやすいようにエッジ全体のカーブがきつくなっている。

「2人の距離が近い方が良いので、エッジが短いのは良いと思うんですが、アイスダンスエッジの恩恵はいまだに感じられていません。アイスダンスを始めてから、自分のスキルを全然生かせてないです」

 そう謙遜するが、実際の演技からはそんな迷いは一切感じれらなかった。幸せと自信に満ちた表情で、新天地ともいえる世界を楽しんでいた。

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photograph by Asami Enomoto

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