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「偉大な選手を忘れたくなかった」DeNA伊藤光が明かす、最終戦で掲げた“『石川雄洋』タオル”の秘話

 

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JIJI PRESS

阪口と京山を“しっかり投げられるピッチャー”に

 苦しく厳しい現実を突きつけられたが伊藤に気落ちをしている暇はなかった。ファームへ行くと二軍監督の三浦大輔やバッテリーコーチの鶴岡一成、新沼慎二と話し合いをもった。そこで言われたのは、次のようなことだった。

「まだ若く一軍の経験の少ないピッチャーが多いから伊藤の考えや経験などを伝えてもらいたい。上でやっているような感じで、普段どおりやってくれ」

 伊藤は7月28日の楽天戦で左ふくらはぎの肉離れを起こし戦列を離れてしまうが、それでもリハビリ中はもちろん試合復帰した際には若手投手の言葉に耳を傾けた。

「とくに組むことが多かったのが阪口(晧亮)と京山(将弥)の2人でした。いずれチームの柱になる存在だと僕は思っているので、自分の考えを伝えつつも、彼らの意見を尊重して取り組んでいることを引っ張ってあげられるように意識しましたね」

 伊藤の言葉が生き生きとして弾む。

「僕に期待されていたことは、この2人を1年間しっかり投げられるピッチャーにすること。そういったプレッシャーを自分に掛けながら彼らと接し、意見を交換していました。阪口は組んで3勝ぐらいしたんじゃないですかね。ファームとはいえ勝つことに意味があると僕は思っているので、嬉しかったですよ」

 阪口と京山の一本立ちはチームにとって大きくプラスに働くことは間違いない。今季はボールの強度やピッチング内容に変化や成長が見られただけに、自分の目指す方向性と伊藤の助言がいかにして来シーズン花開くか楽しみである。

投手リーダー・石田健大が語る「伊藤光は……」

 紆余曲折あった今季ではあるが、これを糧とした伊藤の視線はすでに来シーズンへと向いている。三浦新監督のもと捲土重来の戦いが始まる。

「結果を出すしかないですよね。守備面においてこだわっていきたいのは、ピッチャーの力を引っ張ってあげること。いくら自分自身の考えを持っていたとしても、結果に繋げてあげなければダメだと今季はあらためて感じたので、まずはそこです。それにまだまだ自分には伸びしろというか、この歳になっても成長しているという実感があるので、誰よりも自分自身に期待しています」

 凛とした力強い表情。投手陣のリーダーである石田健大に言わせると伊藤は「なにを訊いても返ってくる。試してみると答えが出る“The Catcher”」なのだという。DeNAに移籍して来シーズンで4年目、誰からも信頼される存在であることは間違いなく、ぜひチームのためにその頭脳や能力をあますところなく発揮してほしいものである。

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