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ドラフト制度をどう思いますか?
Jリーグのスカウトに聞いてみた。

 

photograph by

Yuki Suenaga

「金銭」より「環境」を優先する。

 Jクラブのスカウトたちが口をそろえるのは、いかにして選手に来たいと思ってもらうか。新人に提示する年俸の上限は一律460万円。一部の例外として、アマ時代にJリーグや代表の試合で規定以上の出場時間をクリアした選手のみ上限670万円になるが、それも一律。'90年代はマネーゲームに発展し、中堅クラブでも新人に年俸3000万円という金額が提示されたこともあったが、その反省を踏まえて現制度に落ち着いている。

 選手たちがクラブを選ぶ基準は、目先の金銭ではないのだ。キャリアプランを考えた上で、最適な場所を選ぶことが多い。将来的に欧州の舞台を目指す選手は、海外移籍の実績あるクラブを選ぶ傾向にある。18歳でガンバ大阪からオランダのトゥベンテへ移籍した中村敬斗(三菱養和ユース)らがまさにそう。

 一方で優勝争いをするチームに飛び込むことが日本代表入りの近道と考える選手たちもいる。川崎Fの守田は、その成功例だろう。スカウトも選手たちのその意向をくんだ上で、勧誘している。

 仮にドラフトがあったとしても、選手たちの将来性を見抜くスカウトの仕事は同じ。自分の目で良い選手を見定め、テーブルに乗せるまでは野球もサッカーも変わりはない。

ドラフトは怖いと話すJスカウトも。

 ただ、2018年から大分トリニータでスカウトを始めたばかりの上本大海氏は、「ドラフトは怖い」としみじみ話す。これまではドラマ性のある物語として捉えており、元PL学園高の桑田真澄、清原和博の事例について熱く語ったりもした。しかし、いざスカウト目線で見ると、他人事ではなくなった。

「例えば、うちが1位指名で1本釣りを狙っていた選手に対し、急に他クラブが入札してくることもあるんですよね? これまでずっと追いかけて来て、選手と信頼関係も築いていても、最後はクジで決まってしまう。これはスカウト泣かせです」

 スカウト1年目だった昨年、早稲田大のGK小島亨介を獲得したことがすぐに頭に浮かんだ。泣きたくなるのは、選手だけではない。資金力が乏しい地方クラブのスカウトとして、複雑な思いを口にする。

「クジで有力選手を取れるなら、ドラフトがあったらいいのに、と少し思ったことはありましたが、厳しい面もあります。仮に優先交渉権を獲得しても、強豪でもない地方クラブにスーパーな選手が本当に来るのか。正直、断られる可能性もありますよね? 野球でもありますし。そうなると、本当に困りますね」

【次ページ】 ドラフトがあっても戦略は変わらない。

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