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ラグビーW杯を、日本を楽しむ外国人。
2002年と2019年で変わったもの――。

 

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Getty Images

日本を尊重し、楽しむ外国人たち。

 なんか、ボランティアが、というより、日本社会全体が変わった気がする。

 こりゃ、コイクリ効果だな。

 優先順位が変わったことで、外国人記者が、あるいは外国人のファンが日本で感じるストレスは'02年とは比べ物にならないほど少なくなったのではないか。

 日本と欧米では文化や習慣の違いがいくらでもある。にもかかわらず、今回のワールドカップでは、違いに苛立ったり腹を立てたりするのではなく、尊重し、楽しんでいる外国人が圧倒的に多いように思える。

 日本の習慣を尊重し、入れ墨を隠すことを決めたチームがあった。

 サッカー日本代表に影響を受けたか、ロッカールームを綺麗にして会場を去ったチームがあった。

 たかが公開練習のために1万5000人が集まり、ウェールズ代表のために国歌を歌いあげたのは北九州の人たちである。SNSに「生涯忘れえぬ感動」と書き込んだウェールズ人は1人や2人ではない。

 外国人からの影響を受けることには慣れた日本人だが、今回は、日本から影響を受けた外国人がずいぶんといるように思える。

ボランティアに対する考え方。

 言い切ってしまおう。

'02年のワールドカップは、日本サッカーのためにはなったが、しかし、それだけだった。日本を訪れた外国人の多くは、「もう二度とここに来ることはないだろうな」と感じつつ成田をあとにしたはずである。

 だが、今回日本にやってきた外国人の多くは、日本を好きになって成田や羽田、関空から飛び立っていくのではないか。できることならばもう一度訪れて、日本の文化や食、人に触れたいと心に思って帰っていくのではないか。

'02年の日本にはあまりなくて、今回はいたるところにあったもの。

 お・も・て・な・し。

 笑顔で会場をあとにしてもらうために。気持ちよく仕事をしてもらうために。何より、日本という国と人間を好きになってもらうために。ボランティアを統括する人たちが意識の徹底を図ったのかもしれない。外国人と接する経験値が飛躍的にあがったという点もあるだろう。あの震災を経験したことで、ボランティアというものに対する日本人の考え方が変わったのかもしれない。

 でも、東京オリンピック招致活動における滝川クリステルさんの言葉がなかったら、日本人が、かくもおもてなしの精神を意識することはなかったのではないか──そう強く実感している。

【次ページ】 滝クリ改め、コイクリ効果。

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