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オーストラリア代表、なぜ弱体化?
移民、育成制度、リーグの堕落……。

 

photograph by

Takuya Sugiyama

豪州U-17代表監督も嘆く、若い世代のレベル低下。

――今のオーストラリア代表を見ていると、確かにちょっと上手い選手がすぐに入ってしまっている感じも……。

「もう消去法です。とりあえずこれで選ぶしかないと、ピーター・カモツキーという僕の友人がU-17代表監督になったときに嘆いていましたから。全部の試合を見に行ったけど、選びたい奴がほとんどいない。消去法だと。

 こんなにオーストラリアって駄目だったのかっていうぐらいひどく、根本から変えていかなければダメだと言っていました」

――それはクラブに有能な指導者がいないから?

「それもあるかも知れませんが、ひとつはさっきも言ったように、移民の子供たちが減っているからです。イタリア系とかクロアチア系とか、もともと能力が高かった選手がユースにもういない。

 それからAリーグができたことによって、イタリア系色の強いチームとかクロアチア系色の強いチームがリーグから省かれてしまった。今までは移民色が強くて、それがある意味でサッカーの強さにそのままつながっていた」

昔はアジア人が活躍する余地が無いほど強かった。

「自分のような日本人にとっては凄く損でした。

 僕は17歳ぐらいまでは、オーストラリアでほぼ全部のユースセレクションで落ちている。そういうヨーロッパの移民系の子たちと競争になるから、入り込める隙間がなかったんです。でも、結果としてレベルはめちゃくちゃ高かった。

 今は日本人やアジア人もそういうところに簡単に入れますから。

 僕の頃は、僕以外ではアジア人はひとりしかいませんでした。韓国人で凄くうまい子がいて、実力でイタリア系のチームに入った。僕はそこまでではなかったので、もうひとつ下のレベルのチームに入るしかなかった。

 そういう感じで、当時は入ることすら大変だったのに、今はちょっと上手ければいいよ、ぐらいの感じでユースチームに入れますから。

 もうひとつの問題は、僕のころはユースなどの年間登録料は無料だった。今はそういうチームでも年間20~30万円とか取るんですよ。

 何故かというと、登録料として集めた金をトップチームの選手の給料に還元しているからです。そうなってくると、貧乏な家庭で育った上手い子供は入れない。

 そうしてタレントもどんどん失っている……他にもいろんな問題があります」

【次ページ】 国内リーグにおけるシステム的な問題点とは?

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