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「これは最大のスキャンダルだ…」スキージャンプ激震“スーツ不正事件”「みんなやってる。ただ今回は完全アウト」関係者が語る“イカサマ”の真相―2025上半期 BEST5
posted2025/05/08 17:00

3月8日ノルディックスキー世界選手権・男子ジャンプ個人ラージヒルでノルウェー代表の不正が発覚し、繰り上げで表彰台に上がった小林陵侑
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
JIJI PRESS
2024ー25年の期間内(対象:2024年12月~2025年4月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。スポーツ総合部門の第1位は、こちら!(初公開日 2025年4月17日/肩書などはすべて当時)。
さらに、元選手らの告白も事態を悪化させた。
オリンピック金メダリストのダニエルアンドレ・タンデらが、ノルウェー国営放送の取材に「みんなやっていることだ」「スーツが大きすぎると知って着ていたことが不正だというなら、自分もやっていた」などと語り、最後にはFISの検査体制の不備に責任を転嫁した。競技そのものを貶め、自分たちの首を絞めるような擁護論のせいもあってか、トヨタはノルウェー代表との契約を打ち切り、同国の複数企業がユニフォームへのロゴの掲出を取り止めた。
世界中で「ノルウェーのイサカマ」として報じられており、世間から注がれる目は厳しい。
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もちろん元選手たちの主張にジャンプ界からも反論は出ている。今回の世界選手権にも出場し、W杯通算15勝を挙げているカール・ガイガー(ドイツ)は、ドイツ国営放送の取材に「ルール違反と不正は明確に違う。彼らはルールそのものを迂回しようとしたんだ」と答えた。
「こんなことは今までなかったと思います。最大のスキャンダルというか、大事になっている」と困惑する作山コーチも擁護論には異を唱える。
「各国みんなやっているなんて話も出ましたよね。いや、やってるんですよ。みんな試行錯誤はしている。ただ、その線引きがどこかということ。マテリアルに関して、グレーゾーンを狙ってやるのはみんなそうだと思う。ただ、今回は完全にアウトなことをやっていた」