「最後、1年でいいから同じチームでやりたかったな」戦力外通告、元阪神・北條史也からの電話…ロッテ・田村龍弘の告白「親が悲しんでましたね、幼なじみなんで」―2025上半期 BEST5 

「ボロボロになるまではやりたくない。へばりついてでもやりたいというのはなくて、まだできたでしょうぐらいで引退したいな、と。それを決めるのは周りですけど。これからの2年が分岐点かなと思います。ダメなら、もう33歳ぐらいで引退するかもしれないし、できたら35歳、36歳くらいまでってなるかもしれない。この2年でキャリアハイは難しいかもしれませんけど、まだまだできるなって思わせたいというのはありますね」

　幼なじみの北條は2023年限りでプロのユニフォームを脱ぎ、今は社会人野球の三菱重工Westでプレーを続けている。田村は正式発表になる前日、北條からの電話でプロ引退を知ったという。

「やっぱ幼なじみなんで、さみしい気持ちもありました。また同じチームで野球やりたいねっていう話はしてたんですよ。何か縁があれば。それと、親が悲しんでいましたね。おかんも、おやじも、兄貴も。小さいときからお泊まり会とかしていたぐらいの仲なんで。最後、1年でもいいから一緒にやりたかったなという気持ちはすごくありましたね」

2012年10月26日、ドラフト会議の翌日。練習で汗を流す、光星学院・北條史也（左）と田村龍弘（中央）　©Sankei Shimbun

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　張り詰めていた空気が「お泊まり会」という響きで少しだけ緩んだ。

　最後に現在の身長だけ確認しておこうと思った。

「身長は172でいいんですよね」

「178です」

「178？」

「嘘です。はははははは」

　ジョークでかわされた気がした。

＜全4回＞