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オリンピアン・中西悠子と古賀淳也が「ニップン 食と水泳教室」での熱血指導を通して成長期の子どもたちに伝えたかったこと

posted2025/04/24 11:00

 
オリンピアン・中西悠子と古賀淳也が「ニップン 食と水泳教室」での熱血指導を通して成長期の子どもたちに伝えたかったこと<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

中西悠子と古賀淳也、2人のゲスト講師と参加した子どもたちで記念撮影

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福田剛

福田剛Tsuyoshi Fukuda

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Kiichi Matsumoto

 3月23日、大阪の枚方スイミングスクールで、株式会社ニップンと公益財団法人日本水泳連盟の共催による「ニップン 食と水泳教室」が開催された。

 2014年から競泳・アーティスティックスイミング・水球、そして2017年からは飛込とオープンウォータースイミングを加えた水泳日本代表のオフィシャルスポンサーを務めるニップンは、2022年から「食と水泳教室」を実施。スポーツの楽しさ、そこから生まれる心身の健全な発達と食べることの大切さを子どもたちに伝えてきた。これまでに栃木、埼玉、福岡、東京、神奈川で開催し、6回目となる今回はゲスト講師として、枚方スイミングスクール出身でシドニー、アテネ、北京の3大会にバタフライで出場した中西悠子と、背泳ぎで数々の世界大会で活躍、リオ大会には4×100mフリーリレーで出場した古賀淳也の2人のオリンピアンが登場。将来のオリンピアンを夢見て、水泳を頑張っている7歳から15歳までの71名を指導した。

「食と水泳教室」は、食育教室からスタート。成長期の子どもたちに、食と体づくりをテーマにオリンピアンの2人が経験を伝えていく。

「小学生の頃は好き嫌いが多く、体も小さかったのですが、中学生になって栄養のことを考え、バランス良く食べるようになってから身長が伸びました」と、古賀は食事の大切さを語った。また、3児の母でもある中西は「息子が肉体改造をする時に味噌汁、副菜を食べてから、主菜、ご飯と食べる順番を考えただけで体つきが変わりました。食べる順番だけでも、成長は変わってくるので、ぜひ皆さんも工夫してほしいと思います」と会場に足を運んだ保護者にアドバイスを送った。

 第2部はプールに移動し、それぞれの専門であるバタフライ(中西悠子)と背泳ぎ(古賀淳也)のコツを指導する。フォームについてアドバイスを受けると、キッズスイマーたちはあっと言う間に吸収していく。1時間の教室の間、疲れる様子を見せることなく、終始きらきらと眩しい笑顔を見せながら水泳を楽しんでいた。

 教室に参加した野上天治郎さん(中2)は「普段の練習とは違う視点で泳ぎ方を教えてもらってとても勉強になりました。これまで食事のことは意識したことがあまりなかったので、これから参考にしたいです」と語る。また、三牧らんさん(小4)は、「お母さんが作ってくれるご飯を食べているだけだったんですけど、これからは栄養のことも考えてみようと思いました。今日はとても楽しかったです」と感想を話してくれた。憧れのオリンピアンから指導を受けることができた貴重な体験は、これから世界に羽ばたく子どもたちに、大切な思い出となったようだ。

 最後に2人のゲスト講師に「食と水泳教室」で伝えたかった想いを聞いた。

「食も水泳も、いろいろなことに挑戦してもらいたいです。その上で、嫌いな野菜、苦手な競技があったら、どうしたらいいのかを考えてチャレンジする。小さなチャレンジの積み重ねがきっと大きな自信につながるはずです」(古賀)

「コーチは水泳は教えられても、食について専門的なアドバイスはできません。食の大切さを教えてくれるこの教室は、子どもたちにとっても、保護者の方にとっても、貴重な機会になったと思います。成長期のお子さんにはすごく役立つ教室だと実感しました」(中西)

 子どもたちが健康に、そして元気に水泳を続けるために……、「食と水泳教室」はこれからもその活動を続けていく。

水泳と同じくらい食も大切にしてほしい

公益財団法人日本水泳連盟 生涯スポーツ・環境委員会 委員長 岩崎恭子公益財団法人日本水泳連盟
生涯スポーツ・環境委員会 委員長
岩崎恭子

 健康でなければ、スポーツを楽しむことはできません。水泳を頑張るのと同じように、食事のことも大切に考える必要があります。

 私の母は、私が幼少期の頃から食事にとても気を配ってくれてました。その食事を見て、私も栄養のことを自然と意識するようになった気がします。中学生になってからは代表合宿に参加するようになり、コーチや先輩から栄養摂取の大切さを学び、選手としてどういう栄養が必要なのかをさらに意識するようになった経験があります。

 オリンピアンから競技、そして食の大切さを教えてもらうことができる「食と水泳教室」は子どもたちにとって特別な経験となるはずです。この機会に子どもたちには、食も競技も自ら考えて取り組む意識を持ってもらいたいですし、保護者の方にはぜひ、お子さんのサポートを楽しんでほしいと思います。楽しそうな姿を見せることが子どもたちには何よりの力になるはずです。「食と水泳教室」に参加された皆さんがここで学んだことを習慣化されることを期待しております。

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